マフィアによる凶悪犯罪が多い中で・・・
メキシコは今大統領選や市長選などの選挙戦まっただ中だが、その候補者130人が殺害されるという異例の事態となり、混乱する状況を極めている。
このように市民や行政は常に麻薬組織に脅かされており、人々は怯えながら過ごしているという。
そんな彼らを守るべき存在というのが警察のはずなのだが、近頃、耳を疑う様な改革を行ったという・・・。
その内容というのが、警官へ銃の携帯を禁止し、すべてパチンコに置き換えるというもの。
この衝撃的な改革を行ったのは、メキシコ・ベラクルス州のアルバラド警察署。
パチンコに置き換えた理由もまた驚きで、なんと130人の警官のうち、30名しか銃の使用許可をめぐる試験に合格できなかったからである・・・。
だが、警察が武力を持たないことには治安維持が務まるわけがない。ここベラクルス州も例外なく、麻薬組織の活発な動きが報告されている。
そこでベラクルス州の知事であるミゲル・アンヘル・ユネス・リナレス氏は、妥協案として石とパチンコの装備を提案。
アルバラド警察署の他にも、イスタクソキトランという街の警察署でも同様の案が受理されることとなった。
当然のごとく、アルバラド市長であるベガール・ルイズ・ローザス氏は「麻薬組織に武装解除したとアピールするも同然である!」と強く反対しているという。
地元メディアの取材に対し、「パチンコに置き換えることで解決するのではなく、銃を使える人材を採用し育成することが必要である」と意見を述べる市長。
警察官のような危険な仕事を非武装状態で行わせることは法律違反であり、こうした措置を取った知事は起訴される可能性があるとも言及している。
・・・・・・・・・・
信じられないようなアイデアだが、実は2007年にも同様の事態となったことがある。しかも、メキシコで最も治安の悪いチワワ州でだ。
60人のパチンコ隊が配備されていたというが当然勝てるはずもなく、武装した麻薬組織の構成員に速攻で没収されてしまったという。
今回紹介したベラクルス州はチワワ州に隣接している都市だ。二の舞になるのが目に見えているが、知事はどういった対処をするのだろうか・・・。