奇跡の犬「ガスパール」
2歳のワンちゃんであるガスパールくんは、チリ・サンチアゴに住むジェニス・カビエールさんの大切なペット。彼らは6月末、チリ北部のイキケという都市で休暇を楽しんだ後、飛行機で帰ろうとしていたという。
その際、ガスパールくんはペット用の貨物室に預けられていたというが・・・恐ろしいことに、ケージごと飛行機から落下してしまったのである。
しかも落ちた先は、水も食べ物もない砂漠のド真ん中。
失踪から6日間がたちガスパールくんの生存は絶望視されていたが・・・、驚くことに命からがら生還したのである。
6月29日、カビエールさんが飛行機から降りると、空港の職員から衝撃的な言葉を告げられた。なんと、飛行機に何らかの事故があり、ガスパールくんを見失ってしまったというのである。
当初はなぜ居なくなったのか原因は不明だったというが、のちの調べによると、衝撃によってペット用貨物室のドアが開いてしまい、ケージごと外に落ちてしまったことが明らかになった。
更に、その誤作動が確認された地点というのが、なんとアンデス山脈と太平洋に挟まれたアタカマ砂漠上空。
アタカマ砂漠は世界で最も降水量が少ない場所として知られており、標高は2000メートルにも達する過酷な土地。「死の道」と称されるほどの場所である。
このニュースがSNS界隈で拡散されると、地元の民兵組織が立ち上がり、大規模な捜索を始めたのである。
・・・しかし、広大な砂漠での捜索は難航し、6日もの時間が経過。ガスパールくんは息絶えていてもおかしくない状況だった。
そんな中、奇跡が起こったのである。
弱っている状態ながらも、生きて発見されたのだ!!
彼を見つけた民兵のパオラ・ブラーボさんは、「とても汚い状態で、栄養失調状態にあり極度のストレスを受けていました。居なくなっていた6日間で、かなり体重が減っている様子です。」と語っている。
かなり痩せて埃だらけになってしまっているものの、カビエールさんを見つめる目は輝いている。さぞかし寂しかったことだろう。
その後、動物病院に運ばれて治療を受けたそう。7月16日にアップされた画像には、ガビエールさんと共に元気そうな姿を見せていた。
なお、今回の問題を起こした航空会社は全面的に責任をとると発表しており、現在内部調査を実施しているという。