この子を引き取ってもらえませんか?
米カリフォルニア州で警察官として働くジェシーさん(33)。
彼の腕の中で眠る赤ちゃんは、パトロール中に知り合った薬物中毒のホームレス女性の赤ちゃんである。
路上生活をしている女性が気がかりで、たびたび様子をみにいっていたというジェシーさんだが、ある日妻アシュリーさんを連れて女性を訪れたところ、妊娠していることに気付いたという。
3歳、5歳、7歳の3人の娘がいる夫妻にはとても他人事には思えず、その後も彼女の体調を気遣っていたようだ。
今年2月、病院からジェシーさんの勤務する警察署へ1本の電話がはいった。
搬送された女性に、知り合いの若い警察官に連絡を取ってほしいと言われたというのだ。
そのホームレス女性だと気付いたジェシーさんはすぐさま病院にかけつけ、そこで女性にこう言われたのである。
この子を引き取ってもらえませんか?
子供の幸せを願う母と受け入れた家族
薬物依存から抜け出せないで路上生活をする女性のもとで赤ちゃんが健やかに育つはずはない、そう考えたジェシーさんとアシュリーさんは迷うことなく里親となることを決断したという。
そして8月30日、ようやく正式な養子縁組が決まり、夫妻は公的に赤ちゃんの里親になったのである。
ハーロウちゃんと名付けられた赤ちゃんのミドルネームには、母親でもあるホームレス女性の名前をつけたという。
赤ちゃんを手放すことは苦渋の決断だったに違いないが、母親としてわが子の幸せを願い、この家族なら幸せにしてくれるはずだと願いを託したのだろう。
そして新しい家族の一員として迎えられたハーロウちゃんもまた、母親の願いどおりたくさんの愛情を受けて育ってくれるに違いない。