コカインから大麻へ
大手飲料水メーカー・コカコーラ社が、大麻に含まれる成分のひとつである「カンナビジオール」入りの飲料開発を検討していると報道され、話題になっている。
コカ・コーラ、大麻入り飲料に参入検討-カナダの大麻業者と協議 https://t.co/0NXGC5KVJq pic.twitter.com/D3aXY0fOfO
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) 2018年9月18日
カンナビジオールはてんかんや不安障害に効果があるとされているが、一般的な大麻成分のような精神活性作用がなく、乱用や依存の心配はないらしい。ちなみに日本の大麻取締法においても、カンナビジオールは規制対象物質に含まれていない。
カンナビジオールを健康食品へ適用する分野は現在急速に発展中であり、超大手企業の参入も不思議なことではない。ブルームバーグニュースの報道によると、コカコーラ社は、カナダの大麻業者・オーロラカンナビスと飲料開発について協議を開始したとのことである。
コカコーラの広報担当者は、同メディアに送付したメールで、「CBD(カンナビジオール)に注視はしているが、現時点では何の決断も下っていない」と語っている。
飲料水業界では世界一といっても過言ではない巨大企業、コカコーラ社。その始まりは、19世紀末のアメリカ・ジョージア州で、薬剤師がとある薬用酒を開発し、売り出したことによる。薬剤師のジョン・ペンバートン博士が作ったその薬用酒の有効成分は、コカインとコーラナッツから抽出されたカフェインであった。名づけて「コカコーラ」。
しかし、ペンバートン博士は2年もたたないうちに、その権利を企業に売却。権利を買った企業は社会情勢に合わせてコーラに含まれるコカイン濃度を下げていき、1929年には完全にコカインを取り除いた炭酸飲料が誕生した。
それから90年たった今、今度は大麻成分が入った飲料が開発されるかもしれない。なんだかんだで、需要はいつの時代も変わらないようだ。