少女達から嫌がらせを受ける少年
SNSで始まった”#MeToo”によって、被害者たちが声を上げやすくなった昨今。そんな風潮を悪用し、男子生徒に嫌がらせをしようとした少女達が現れた。
9月下旬、アメリカ・ペンシルベニア州の高校で、「ある男子に性的暴行を受けた」と虚偽の告発を2度も行ったとして、女子学生が告訴されたことを、地元紙”ピッツバーグ・ポスト・ガゼット”が報じた。
男子学生は2017年6月、市民プールでライフガードとして働いていた。しかし同僚だった女子大学生と彼のクラスメートが共謀し、「レイプされた」と虚偽の告発をされてしまったのだ。
これにより数週間後に男子学生は仕事を解雇されてしまい、10月には性的暴行の容疑で起訴されたのである。
彼は保護観察処分となったが、観察官に対し「やっていない」と主張。更に、学校でも背中にマスキングテープで”プレデター”と書かれ、いじめを受けていたことも明らかにした。
しかし2018年に入っても男子学生への嫌がらせは続き、3月にも再び、別の女子学生がスクールカウンセラーに「性的暴行を受けた」と告発。
4月9日に起訴されると、翌日に彼は警察に拘束され授業から追い出されたのち、9日間少年院に入ることになったという。
この事態に少年の両親が訴訟を起こす
性暴力の告発を受けた男子生徒の両親は、10月1日に女子学生を相手取り訴訟を起こした。
彼は警察にいじめの証拠として、女子学生から送られてきたスナップチャットのメッセージを提出。検察官が女子学生らを取り調べると、2名の少女が「実際に彼から性的暴行はされていない。嘘をついていた。」と認めたという。
ピッツバーグの地方裁判所において、生徒の担任教師は「彼は性差別を受け、男性であるがために厳しく扱われた」と主張。
後日、担当した弁護士のクレイグ・フィッシュマン氏は、地元紙の取材にこのように答えている。
「私には2人の娘がいますが、#MeToo運動の効果によって性犯罪の被害者に対する救済が進んでいることがわかります。しかし、その振り子は極端な方向に振れてしまったようです。彼は男子だからという理由で、差別を受けていました。
しかし、セネカ・バレー学区は、虚偽の性犯罪の告発によって男子生徒をいじめたり、嫌がらせをする女子学生を罰せず、女子学生に性的な嫌がらせをする男子学生のみを退学処分にする方針をとっていました。」
フィッシュマン氏は、裁判所の手続きが済み次第、女子学生たちを刑事告訴する姿勢を見せている。そして、「裁判所は、法による平等な保護を義務付けている法律を違反した」と明かした。
この事件によって「性差別は男性から女性にされるもの」という誤った考えが表面化してしまった。嫌がらせをした女子学生らには厳正な処罰が下されることになるだろう。