お行儀がよすぎる強盗が登場
強盗といえば、凶器を構え「オラ!金出せー!」と突入してくる荒くれ者を想像してしまうだろう。
だが、今回の強盗はどこかがおかしい。なぜなら、犯行に及ぶまでに・・・律儀に15分も受付の列に並んでいたから。
さらに、銀行強盗のやりかたを検索したり、ファブリーズで脅したりなど、突っ込みどころが満載。
以下がその事件の顛末である。
Bank robber politely queued for 15 minutes before threatening staff with 'acid'https://t.co/QdUQmebp78 pic.twitter.com/zfiMgDz79S
— Daily Mirror (@DailyMirror) 2018年12月14日
先日12月13日、イギリス・ダラム刑事法院にて、今年5月17日に強盗事件を起こしたという、とある男の初公判が開かれた。
男の名前はサイモン・ジョーンズ(38)。
裁判所の資料によると、彼は犯行当日、黒いマスクとコート、青いゴム製の手袋を着けてダラム近郊にある銀行に現れたという。
彼の姿を見て、銀行のマネージャーが保安上の理由からマスクをとるようにと言ったが、「皮膚炎のせいかもしれない」と考え直し、入店を容認。
とはいえ、何か騒ぎを起こされてからでは遅いので、マネージャーは「なにかお手伝いできることはありますか?」と声をかけたというが、「いいえ、大丈夫です」と丁寧に返されたとのこと。
しかしその日は暑かった上に、なぜか手にはファブリーズを持っていた。また、監視カメラを避けるような動きを見せていたことから、不審がった他の客が撮影しこっそり通報。
その間、男はそのまま15分ほど受付の列に並び自分の順番が回ってくると、受付に向けてファブリーズを突き付けたのである。
当時対応した受付スタッフのビクトリア・スミスさんによると、「ファブリーズの中には酸が入っており、爆弾も持っている。怪我したくなければ金を寄越せ」と書かれたメモを渡されたという。
なお、その後の調べで、ファブリーズの容器の中にはファブリーズの液体しか入っていなかったという。
普通に捕まる
スミスさんは囮用に用意されていた約5万2000円(370ポンド)と、GPSの付いた偽札を渡すと、ジェームズは逃走。
その後、不審な車に気付いた地元住民が通報し、その場で警察に御用となった。
警察の調べによると、彼は犯行前、「銀行強盗のやり方」とGoogleで検索していた事が判明。
更に、ジョーンズはガールフレンドが犬の散歩に行った隙に、勝手に彼女の車を使い犯行に及んでいたことがわかった。
ジェームズは3年前の頭の怪我で認知障害を持っており、ギャンブルや酒を好んでいた。判事は今回の事件を、「計画的ではあるが完全に素人」と称し、懲役3年4か月の実刑判決を下した。
手紙で謝罪
傍から見たら明らかにマヌケ極まりない事件ではあるが、銀行の従業員に対する精神的ショックは強かったという。
受付のスタッフは何ヵ月も休まなければならなくなったりと、恐ろしさから店舗を開きたくないという声が高まっていたそう。
これを受け、ジェームズは判決後にスタッフに対して「本当に申し訳ありませんでした」という謝罪文を送付。
謝罪するなら最初からすんなよ・・・と突っ込みたくなる事件であった。
参照元:Mirror.co.uk、Twitter