フェイスブックの過剰な審査規定
フェイスブックは快適な利用環境をめざし、他のユーザーに不快感を与える過激な画像は、強制的に削除されるルールとなっている。それ自体は正しいことではあるが、時に過剰に働いてしまうこともあるようだ。
今回削除されてしまったのは、こちらの女の子の写真。
特に問題がなさそうに見えるが、これがなぜか過激でセンシティブな写真と判定され、削除されてしまったのだ。
彼女の名前はシャイ・ウィンちゃん(9)。生後31週の早産で生まれた女の子で、気管と食道の間に亀裂がある”喉頭裂”というとても稀な奇形を持っている。
飲み物を飲み込もうとすると全て気管に入ってしまうため、呼吸困難などの原因となる。そのため飲み物や食べ物は口から摂取できず、鼻から水分を摂取するためのチューブを差し込んでいる。その時間は、1日に17時間にも及ぶという。
他にも複数の健康上の問題を抱えており、たくさんの薬を服用しなければならないなど、辛い生活を送っているシャイちゃん。家に常に一人でいる彼女の「さみしい」という声を受け、母親のリンゼイさんも職を手放し、いつも寄り添い続けている。
そこでリンゼイさんは、喉頭裂への理解と支援を広めるべく「Shai’s Smile」というチャリティーページを設立。そして広告を作り、シャイちゃんの画像を使用したところフェイスブックに「衝撃的で暴力的。不適切でポリシー違反している」と判定されてしまったのだ
さらにフェイスブック側はページへの投稿を禁じた上に、上の画像を削除。リンゼイさんはこの対応を侮辱的と捉え、フェイスブックに強い怒りを示している。
「ただただショックでした。まるでロボットに自動的に判断されたようです。
衝撃的と感じるスタッフもいるでしょうけど、私に愛娘の写真を投稿させないなんて信じられません。
シャイには何も伝えていません。きっととても動揺するでしょうから。」
これを受け、英紙”Metro”がフェイスブックに取材をしたところ、「シャイちゃんの写真は、リンゼイさんの報告があってから10分後に復元されています。私たちは一家の気持ちにいかに寄り添っていくべきか、しっかり考えていかなければなりません。私たちは、シャイちゃんとご家族の資金集めと努力が実ることを祈っています」と語っていたという。
ネット上では、「もっと他に過激な画像が投稿されているのに、シャイちゃんの画像だけを弾くなんておかしい」という声が多くあがっている。一方で、「他のチューブをつけた写真は削除されていない。誰かが悪意を持って通報している可能性がある」と指摘する声も上がっていた。
システムが勝手に起こした出来事とはいえ、愛娘の看病を頑張る一家の気持ちを踏みにじる行為である。母親のリンゼイさんはとても悲しい思いをしたことだろう。
参照元:Metro.co.uk、Facebook