高級ファッションブランドはフェンディの卑猥なスカーフのように、時に我々が驚くような奇抜なアイデアを世に送り出す。
一般人には想像できないような斬新なデザインはブランドを確立する上で重要かもしれないが、それが人種差別を彷彿させるようなデザインであれば、また話は別である。
ブラックフェイスは黒人侮辱にあたる
日本でも馴染みの深いイタリアの高級ファッションブランド「グッチ」。そのグッチが手がけた9万円のセーターが黒人を侮辱していると物議を醸し、販売中止となった。
そのセーターがこちらだ。
口元まで覆う黒いセーターは口の部分だけ抜かれ、その周囲は赤く分厚い唇を想像させる。
このデザインが黒人侮辱を意味する「ブラックフェイス」を連想させると批判が殺到したのである。ブラックフェイスとは黒人以外の演者が黒人を演じるために顔を黒塗りにするもので、世界では人種差別行為だとされている。
グッチ側は謝罪し販売を中止することに
これを受け、グッチは公式ツイッターでこう謝罪した。
Gucci deeply apologizes for the offense caused by the wool balaclava jumper.
We consider diversity to be a fundamental value to be fully upheld, respected, and at the forefront of every decision we make.
Full statement below. pic.twitter.com/P2iXL9uOhs— gucci (@gucci) 2019年2月7日
深く謝罪いたします。そして実店舗とオンライン両方で商品を取り除き販売を中止することを発表します。今回の出来事を通して、社内の多様性を高めていきたいと思います。
近年、プラダの人形が黒人差別だと批判を受け販売中止になったり、D&Gのプロモーション動画で中国人モデルが箸でピザやパスタを食べる様子が公開されたりと、高級ファッションブランドにおける人種差別が問題となっている。
これに対しては「なんでも差別に結びつけすぎ」だという声も多く上がっているが、誰もが納得のいく”正解”を導き出すのは難しいのかもしれない。