命と引き換えに髪の毛を手に入れるか
育毛剤やカツラなど・・・世の中には髪に悩む人のため様々な方法があるが、植毛はその中でも即効性が高い。その名の通り、頭皮に人工毛や毛根を植えるのだから。
もちろん植毛は外科手術の一つであるため、予想だにしないような形で体調を崩すことも珍しくない。
そんな植毛をしていたというインドの男性が、先日、施術後に突然死してしまったという。
事故が起きたのは、インド・ムンバイの皮膚科医、ビカス・ハルワイ医師のクリニック。3月7日、ここで植毛手術を受けていた、シュラワン・チャウダリーさん(43)という会社員の男性が亡くなった。
彼は当時、約80万円(50万印ルピー)をかけ、9250本の毛根を植える”自毛植毛手術”を受けていた。これは髪の毛が生えている部分から一本ずつくり抜き、毛のないところに植えるという植毛で、途方もない手間と時間がかかる方法である。
しかし、手術開始から12時間がたった午前3時半、3700本植えたところで体調が急変。男性は苦しみ出し、医師はすぐさま鎮痛剤と抗生物質を与えたというが、呼吸困難に陥ってしまったという。
止むを得ず救急病院に搬送するも、手の施しようがないと別の病院にたらい回しに。駆けつけた友人によって、別の病院に運ばれたものの、翌日にこの世をさった。家族も病院に見舞いに来たというが、このときまで植毛手術を受けていたことは知らなかったという。
死因については現在も調査中で、警察の取り調べでは、「彼の遺体は法医学研究所に送られ、詳しい情報などは鑑定のために別の病院に送られる予定です。」と話していた。
通常、毛根手術は一回の手術で3000本が限度とされており、手術も8時間以内に終わらせるのが理想とされている。これは、大量の麻酔を長時間投与すると、合併症を引き起こす可能性があるためである。
しかし担当したハルワイ医師は、彼の強い希望のもと、9250本を1度に植えることに同意。今回の死因も、男性が重度のアレルギーを持っていたことによるアナフィラキシーショックと推測しているという。