子供たちを守るため毒ヘビに立ち向かう
忠誠心の強い犬は、倒れた飼い主のために助けを呼びに行くなどの行動をとることがある。強い絆で結ばれた飼い主を懸命に守ろうと本能が働くのだろう。
9月23日、米フロリダ州に住むリチャードソンさんのお宅で飼われていた生後8ヶ月のピットブル「ゼウス」も子供たちを必死で危険から守ろうとしていた。
その日、一家の二人の息子はゼウスとともに裏庭にいたという。ゼウスの水入れを綺麗に洗っていた息子たちだが、知らない間に背後には「サンゴヘビ」と呼ばれる毒ヘビが忍び寄り、飛びかかろうとしていた。それに気付いたゼウスは、二人を守ろうと毒ヘビに立ち向かったのだ。
身を挺して飼い主を守ったピットブル
懸命に闘い、毒ヘビの頭部を食いちぎったゼウスだが、格闘中に毒ヘビに4度も噛まれてしまったという。
家族は急いでゼウスをかかりつけの動物病院へ連れて行き、薬を投与してもらった。その後、容態が安定したため安心していたのだが、この時すでに手遅れだったのだろう。翌日、ゼウスは亡くなってしまったのだ。
今年1月に生まれたばかりのゼウスはリチャードソン家にとってかけがえのない家族の一員だった。ゼウスに一目合わせようと、母犬「セガ」も動物病院に連れて行き、家族で最期のお別れをしたという。
近年、ピットブルに襲われる人が増えているため獰猛な犬種だと認識されがちだというが、リチャードソン夫婦はこう話す。
人間がきちんと接してあげれば襲いかかってくることなどありません。ゼウスがいなければ子供たちの一人を失くしていたかもしれないのです。今は深い悲しみの中にいますが、守ってくれたゼウスには感謝しかありません。今回の件で、ピットブルに対してのイメージが良くなることを願います。