カナダ代表が被災地でボランティア
日本各地で記録的な大雨や暴風を記録した台風19号。これまでに50人を超える死者が確認されており、今なお行方不明者の捜索が続いている。豪雨による堤防決壊や川の氾濫などがもたらした被害は甚大で、台風が過ぎ去った今、各地で清掃作業に追われている。
そんななか、被災地のひとつでもある岩手県釜石市でこんな光景が目撃された。
住宅の中に入った泥を取り除いたり、家具を屋外へ運んだりと清掃作業を手伝う体格の良い男性たち。彼らは、現在日本で開催されているラグビーW杯カナダ代表の選手たちである。
ラグビーより大切なことがある
実は台風が直撃した13日、釜石市ではカナダとナミビアの一戦が繰り広げられる予定となっていた。
しかし、東北エリアでの暴風と大雨が懸念されたため、大会組織委員会は試合中止を発表したのである。すでに事前の試合結果で一次リーグ敗退が決まっていたとはいえ、4年間この日のために頑張ってきた選手たちにとって試合中止となったのは無念の結果であっただろう。
だが、選手たちは「ラグビーより大切なことがある」と被害を受けた釜石市に残り、チームでボランティア活動を率先したのである。
台風19号の影響で、本日の試合が中止になったカナダ代表 @RugbyCanada??
そのまま釜石の町に残り、ボランティア活動を行いました?✨#RWC2019 #RWC釜石 #NAMvCAN pic.twitter.com/bwTpHAJPsV
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) 2019年10月13日
カナダ代表チームの清掃作業の様子は大会組織委員会公式Twitterにも投稿され、日本のみならず世界中から「誇りに思う」「感謝しかありません」「これがラグビーというスポーツ」と称賛の声が寄せられることとなった。
今大会、ホストを務める日本代表は史上初の決勝トーナメント進出を決めている。死闘を繰り広げたスコットランド戦での勝利後のインタビューでは、「先日台風で被災した方々にラグビーで元気を取り戻してもらいたいという思いでプレーした」と被災者に捧げる勝利と語っていた。