妊娠38週のまさに幸せの絶頂にいた妊婦さんが、突然襲撃されるという理不尽な事件が起きてしまった。
男がイスラム教徒の妊婦さんに暴行
事件が起きたのは11月20日の夜のこと。豪シドニーのカフェで、ヒジャブで髪の毛を覆った3人の女性たちは楽しそうに談笑をしていたのだが、店内に入ってきた男(43)が突然彼女たちのテーブルへ向かってきたという。
そして、店内の監視カメラの映像には、その後、男が臨月の女性(31)に殴りかかり、無抵抗の女性に一方的に暴力を振るっている様子が捉えられている。
(※動画には暴力的なコンテンツが含まれているのでご注意ください)
暴力を振るった男は周囲の客によって取り押さえられ、駆けつけた警察官に逮捕された。被害にあった女性は病院に搬送されすでに退院しているというが、彼女が負った心の傷はとてつもなく大きいことだろう。
繰り返されるイスラム教徒への人種差別
被害女性によると、男は彼女たちを見るなり反イスラム的な暴言を浴びせてきたという。
実は、オーストラリアではヒジャブを身につけたイスラム教徒の女性たちがターゲットになる事件が多発しており、またしても問題が浮き彫りとなってしまった形だ。オーストラリア連邦イスラム評議会は、「明らかに人種差別的で、イスラム嫌悪に基づいた襲撃」と見解を述べた。
今回の事件では、周囲の客の勇敢な行動により女性も胎児も助かったが、最悪のケースもあっただけに早期の人種差別への対応が望まれる。
「バックグラウンドの異なる人たちが、互いの文化や宗教を尊重し理解し合える。」そんな世界が理想だが、悲しいことに、このような人種差別は今なお世界中で起きているのだ。被害女性が抱えるトラウマは計り知れないが、無事元気な赤ちゃんを出産することを願ってやまない。
参照元:YouTube、The Telegraph