TikTokにダンス動画投稿で懲役3年
音楽に合わせた動画の投稿や視聴が楽しめる『TikTok(ティックトック)』は特に若い世代に絶大な人気を誇っており、中高生のお子さんがいるご家庭ではお子さんがダンスするのを目にする機会も多いのではないだろうか。
それを踏まえながら、こちらの動画をご覧いただきたい。
我々の目には、女性が音楽に合わせて踊っているたわいもない動画に見えるだろう。
しかし、国が違えば文化や宗教も違い、ダンスひとつをとっても全く違う価値観や考え方がある。この女性はTikTokに性的な動画を公開したとして、今年4月に逮捕され、6月27日に罰金約200万円と懲役3年の実刑判決が言い渡されたのだ。
動画は盗まれ無断で投稿されたと主張
彼女はエジプトでベリーダンサー兼女優として活躍するサミア・エルマスリーさん(42)。
サミアさんは問題となったダンス動画をTikTokで公開したことで今年4月に身柄を確保されたものの、自分が投稿したものではなく何者かによって動画が盗まれ無断で投稿されていたと主張している。
当然ながら今回の判決にも不服を申し立てており、控訴する構えを見せている。
時代の変化についていく難しさ
今回の件において、国会議員のジョン・タラート氏は「自由と道楽には大きな違いがあり、それを履き違えてはならない」と述べており、サミアさんをはじめその他の女性ティックトッカーたちに法的措置を求める方針だという。
約2年前には、ダンス動画をインスタグラムに投稿した19歳のイラン人女性が逮捕され各国から批判の声が相次いだが、サミアさんのケースも同様に世界中から疑問の声が上がっている。
カイロの女性権利弁護士は「我々の保守的な社会は、まったく異なる環境や考え方を生み出す技術の変化に、対応できずもがいています。」と話しており、文化や宗教、伝統を重んじる傍で、時代の変化についていく難しさに直面しているようだ。