オットセイです!ご飯をください!
感染拡大が続く南アフリカは、各国から一足遅れ現在もロックダウン中。地元経済を観光事業に支えられているケープラウンの企業は、大きな打撃を受けている。
その煽りを、なんと地元の野生動物も受けているらしい。
こちらの映像は、市内にある「パカロロ」という海沿いのバーで撮影されたもの。普段なら多くの海水浴客で賑わっているが、残念ながら今はぱったりと客足が途絶えている。そこに思わぬ珍客がやってきた。
それはなんと、オットセイ。ドアをバシバシと叩いているが、どこか疲れ果ててぐったりしている様子が伺える。
オーナーが水をかけて追い払おうとするも、どうにか中に入れないか粘るオットセイ。
たまたまこの様子を見たエルナ・ビーツさんという女性は近くでソーセージを買ってきて食べさせたところ、オットセイが助けを求めていると確信したという。
やがてオットセイの周りにはギャラリーができると、オットセイを守るために協力して道路を封鎖。中には棒を持って追い払おうとした見物人がいたそうだが、周囲の人から怒鳴られて思いとどまったという。
知らせをうけたSPCA(動物虐待防止協会)が駆けつけると、オットセイは職員によって網で捕獲された。
現在、オットセイはお店の名前にちなんで「パカロロ」という名をつけられ、「ハウトベイ・シール・サンクチュアリ」という施設で保護されている。疲労や怪我、体重減少などの問題はあったものの、健康上大きな問題はなかったという。
SPCAの職員によると、これは観光客や地元民による餌付けが原因だとしている。
野生動物は本来自分自身で餌を見つけなければならないが、体重の減少からするに、うまく狩りができなかった可能性があるという。
動物を手助けしたいあまりに、かえって悪い結果を招いてしまった今回の出来事。一見可愛らしい事件ではあったが、人間の行動について考えさせられる部分もある。