見た目だけで通報される・・・人種差別的な通報を罰則化か
今年5月より、アメリカ国内で、バードウォッチングをしていた黒人男性が白人女性に通報されたり、ホテルのプールで遊んでいた親子が白人のホテル従業員に通報されるといった、人種差別的な通報事案が相次いでいる。
この度、こうした通報が罰則化される可能性が浮上している。
7月7日、米サンフランシスコ監督委員会が、こうした人種差別的な通報を違法とする「CAREN法」を提案した。
この名前は、横暴な白人中年女性を揶揄するスラング「カレン」からもじったもの。店で失礼で尊大な態度をとったり、人種差別的、すぐ通報する、といった特徴をもつ迷惑な女性が現れると、ネットで「またカレンが出た」と騒がれるのだ。
一連の人種差別的な通報騒ぎでも、中心となっているのは白人の女性。そのため、条例の名前にも採用されたという。
この条例は、カリフォルニア州議会議員ロブ・ボンダ氏が提案したAB 1550法案に似ており、「人種的に偏った緊急通報を偽造する」ことは違法とされている。
ボンダ氏はツイッターにて、「疎外されたコミュニティへの偏見のためのツールとして、911通報が使用されることは不当で間違っている」とコメント。
そして、何百万人もいるカリフォルニアの有色人種を憎悪から保護し、法執行機関を武器として扱われることを防ぐとしている。
今でもカリフォルニアを含む多くの州で虚偽通報は罪に問われるが、通報理由に人種的な偏見があることを指摘しているものは少ない。
ちなみに、同様の法律はミシガン州グランドラピッズ市と、ニューヨーク州にて発案されており、公聴会の開催といった準備が始まっているという。