孤独と病気にさいなまれる日々から・・・
野良猫と飼い猫の顔立ちは全く異なる。野良猫は危険がいっぱいの中で暮らしており、とても荒んだ顔をしているが、飼い猫は衣食住が保証されているためか、のんびりとした顔になる。
今回とりあげるこちらの猫ちゃんは、その典型といえるかもしれない。
写真に写っているのは、”ブルース・ウィリス“と名付けられた当時6歳の猫。アメリカ・ミネソタ州で2019年に動物保護団体に拾われ、飼い主を募っていた。
だが、目の傷や歯の欠け、皮膚病やネコ免疫不全といった重い病気や怪我を抱えており、いつまでも引き取られることがなかったという。飼い主募集のためにその当時の写真がアップロードされたが、その顔は世界一悲しい表情の猫として思わぬ形で広まってしまった。
そんな中、近隣に住むサンドラさんという女性が、その写真を偶然発見。住んでいるのがペット不可の物件で猫を飼う予定がなかったため一度は見送ったという。
その時のことについて、米メディア「Bored panda」に対しこう語っていた。
「その写真で初めてブルースを見ました。その目がただ訴えてきて、すごく悲しそうにみえました。
しかし家がペット不可で猫を飼うつもりはなかったので、彼には何もできないことはわかっていました。
それでも実際に会いに行かずにはいられませんでした。実際に会うと、写真よりもっと悲しそうな顔をしていました。」
以降も彼を忘れられず、何度も会いに行ったというが、ペットシェルター内でブルースは上気道感染症を発症。痛ましい姿をみて、誰かが引き取ってくれるよう願っていたが、数週間経った後もシェルターに残っていたという。
それを見て、サンドラさんはついに家主を説得。ペット禁止のルールを例外的に外してもらい、ブルースを引き取る手続きをとった。翌日に家に連れて帰ると、ブルースは一晩中鳴き声をあげて、サンドラさんのそばを片時も離れようとしなかったという。
こうしてブルースがサンドラさんの家にきて、1年経った先日。病院通いを続けたおかげで、今では全ての病気が完治し、右目もしっかりと開くようになった。
“世界一悲しい猫”と言われた時と比べると、のびのびとした表情に変わっている。サンドラさんの愛情を目一杯注がれたおかげで、ブルースはとても幸せそうだ。
現在では10万人ものフォロワーを抱えるアイドル猫。「なんてかわいいの・・・」「素敵な毎日にしてね!」「幸せになってくれ」といった応援と感動の声が寄せられていた。
1枚目の写真から、拾われる前の生活がどれだけ苦しかったのかが伝わってくる。これからは優しい飼い主さんとともに、素敵な人生ならぬ猫生にしてほしいものだ。
参照元:Intagram、Bored Panda