デカすぎて違法建築!?
三国志がファンなら誰もが聞いたことがあるだろう関羽。中国でもヒーローとして愛されている歴史上の人物だが、先日、この関羽の巨大な銅像が建設されたという。
その大きさは、なんと57.3メートル。まるで彼の武勇を象徴するかのような巨大さである。
ところが、この関羽像がなぜか移転の危機にあるという。
建てられたのは、中国・湖北省荊州にある関羽をテーマにした「関公義園テーマパーク」。関羽像は2016年のパークの開園と同時にお披露目となり、日本からもこの関羽像を一目見ようと大勢の三国志ファンが訪れる名所となっていた。
ところが先日、この関羽像が荊州の地元当局によって違法建築物とされてしまったのである。
中国の国営放送「中国中央テレビ」によると、園内にある関羽文化展示センターという2階建の建物を除き、関係当局の承認を得ていなかったことが明らかになったほか、創業開始前も防火検査に合格していなかったことがわかった。
園の設立を計画した荊州の天然資源計画局の副署長は「市の計画規則では、彫刻の明確な高さ制限はなかった」「建造物ではなく芸術品という認識だった」と反論。しかし、建物の高さ制限24メートルを2倍以上超えており、大きすぎることは認めていたという。
また、宅地開発省や一般住民からも「あまりに大きなサイズと外観が、古都の景観と歴史的背景を傷つけている」という批判が相次ぎ、地元自治体にプロジェクトの是正を求める声が上がった。
更に地元メディアによると、この像の建設によって26億円(1億7000万元)が使われたというが、過去4年間を通して収益は2億円(1300万元)未満と大赤字を叩き出している。これも不満要素の一因となっているようだ。
こうしたことから、荊州政府はこの関羽像の移転を発表。これにも「税金と資源の無駄遣いだ」と激しい批判が上がっている。
中国各地では、観光資源を作ろうとこうした誤った道へ進む自治体が少なくない。市民の血税を使っているからには適切に使われてほしいものである。
参照元:Global Times、Facebook