血中に直接注射後にそのまま成長?
マジックマッシュルームは日本において麻薬原料植物として規制対象となっている。一方で、うつ病や薬物依存症の治療に使用されることもあり、研究対象となっている種類もある。
今回のニュースでも、精神疾患の自己治療としてマジックマッシュルームが使われたというが、異常な使用法により、命の危機に陥ったと報じられている。
Man injects 'magic' mushrooms into blood, resulting in organ failure https://t.co/WqWPKBYlRg pic.twitter.com/dkqFwqK4N7
— New York Post (@nypost) January 13, 2021
報告されたのは、論文サイト「ScienceDirect」に1月11日に投稿された症例レポート。
搬送されてきたのは双極性障害Ⅰ型を患っている30歳の男性で、精神疾患の薬の服用をやめた後、躁鬱病が悪化していたという。
そこで、オピオイド中毒や不安神経症、うつ病の治療法を独自に調べ始め、すべてのドラッグの中で最も安全と宣伝されているマジックマッシュルームの一種「シロシビンキノコ」に手を伸ばしたという。これは彼にとって、全ての問題の解決法になると考えたのだろう。
ところが、彼が行ったのは一般的な使用法ではなかった。乾燥状態のシロシビンキノコを入手すると、それを湯に入れて茶を作り、血中に注射するという方法をとったのである。
その後、彼は吐血、下痢、黄疸、錯乱、倦怠感など複数の症状を催し、ネブラスカ州の救急病院に搬送された。検査によると彼は多臓器不全に陥っており、肝臓は菌の侵入によって損傷しており、腎臓も完全に機能しなくなっていたという。
また他の検査によって、内臓を損傷した菌は、血中にて成長・増殖して生まれていたことが明らかに。男性は病院で3週間、人工呼吸器をつけ透析をうけたという。
搬送から22日後、男性は無事回復し家に帰され、抗生物質の投与と抗真菌治療を続けている。
体内がキノコの菌の培養環境となってしまった今回の事件。菌類の恐ろしい一面を垣間見たようだ。