ハンディがあっても夢を諦めない青年に感動
今インドで、”世界で一番小さいお医者さん”が生まれようとしている。
その青年は、身長はわずか91cm、体重は15kgと、大きなハンディを抱えている。だが、彼の努力はそのハードルを飛び越えようとしているのである。
その青年の名前は、ガネーシュ・バライヤさん。ご覧のようにまだ子供のように見えるが、れっきとした19歳の医学生である。
この成長障害に両親が気づいたのは、彼が5歳の頃。しかし、医師の検診を受けることはなく原因は現在も不明なのだという。
低身長に伴い家族の介助が必要な生活を送っているが、バライヤさんは懸命に勉強を続け、学校をトップの成績で卒業。やがて、地元バーヴナガル政府医科大学に合格するという成果を見せたのである。
ところが、彼の医師への道は決して平坦ではなかったようだ。
インドは強い身分制が敷かれており、家族の仕事を引き継ぐのが一般的。グジャラート州の農民の子であるバライヤさんは、当初は医師になる権利を否定されていた。これは彼だけでなく、全てのインド人が直面する問題である。
また、彼特有の問題も。インドの最高裁は、彼は低身長であるがために緊急処置に対応することができないとし、医師としては不適格であると判断を下した。
バライヤさんの両親はこれを不当と考え異議を唱えたが、第一審で請願は却下。次は本人が裁判所に出廷し、控訴する方針を示しているとのこと。彼の同級生や学長は彼の医師への道を応援しており、「彼が医師になればインドの誇りだ」と前向きだ。
彼は大学を卒業後、薬を買う余裕がない生活に苦しんでいる人々を対象にした医療の実現を目指しているという。
ハンディを抱えながらも、夢を諦めずひたむきに努力を続ける彼は、きっと素晴らしい医師になるだろう。