3月25日に開催されたイスラエル最大のマラソン大会「エルサレムマラソン」。この大会でウクライナ人のマラソンランナー、ワレンチナ・ウェレツカさん(31歳)が女子の部で優勝し、世界的に話題となっている。
「エルサレムマラソン」の公式インスタグラムではその感動的なゴールシーンの映像が公開されている。早速ご覧いただきたい。
この投稿をInstagramで見る
プロランナーであるウェレツカさんは42,195kmを2時間45分54秒でゴールし女子の部で優勝。ゴール後には、ウクライナとイスラエルの国旗を掲げた。
ウェレツカさんはこのマラソン大会に出ることをずっと夢見ていたが、戦争の影響でポーランドのクラクフに娘と避難しており、まさか出場できるとは夢にも思っていなかったそうだ。
しかしマラソン大会の2週間前に主催者から招待状が彼女の元へ届く。
避難中はトレーニングもせず、落ち込んだりストレスで走れなくなったりしていました。でも招待状が届き、2週間しか準備期間がなくてもやるべきだと思った。
と取材に答えた彼女は語っている。
そして素晴らしい走りを見せ見事に優勝した。
周囲のサポート、そして優勝の価値
当マラソン大会のソーシャルメディアマネージャー、アサフ・シャケド氏は数週間前、ポーランドにいる彼女と連絡を取り始め、ビザやイスラエルへのフライトを手配するのに奔走したそうだ。
そして、彼女は大会で優勝したのです!信じられないような話です。
と地元紙の取材に答え語っている。
しかし少なくとも一人のサポーターは、大会開始前から彼女が優勝することをずっと信じていた。
ポーランドにいる娘のアリサさんは、表彰台の上に立つ母親の絵を描き、その写真をレース前に送ってきてくれたそうだ。
(※画像は2022年3月26日付けINSIDER「A Ukrainian refugee won the Jerusalem Marathon after a month without training and said it was ‘for my country’」のスクリーンショット)
ウェレツカさんは、この優勝が民族と祖国への団結のメッセージとなり、ウクライナを助けるために世界がサポートしてくれることの一助となることを願うと語り、
さらにこのようなメッセージを語った。
私たちは普通の人々で、子どもたちに普通の生活をさせたいのです。ウクライナの戦争が終わり、人々が泣かない、普通の、幸せな生活を送れるように。子供たちにも、新しい家や街を作るためにも、普通の生活を。
このマラソンと私の勝利は、“平和のため”だけのものだと思っている。それが私の願いです。それは私だけの願いではなく、全世界の願いでもあると思います。