今月の5日、アメリカ・フロリダ州ボイントンビーチでとある救助劇が起きた。
その様子をとらえた映像は、アメリカの良心である“互助の精神”が感じられる感動的なもの。
コングレス・アベニュー交差点の監視カメラに、その一部始終が記録されている。早速ご覧いただきたい。
あわや大事故!運転手が気絶し車は混雑する交差点へ
映像は、車が混雑した交差点を横切って対向車線にゆっくりと向かっているところから始まる。恐ろしい光景だ。
実はこの時、この車の運転手は意識を失っていた。このままでは、猛スピードで走る対向車に正面衝突は避けられない。
続いて、近くの車から女性が飛び出し、他の運転手の注意を引くために手を振って全力疾走で通りを駆け抜け、問題の車に近づいていくのが見える。
彼女は運転手の会社の同僚で別の車に乗っており、この運転手がハンドルの上でぐったりしているの遠目に目にしていたそうだ。
この同僚の女性は混雑する交差点をなんとか駆け抜け、車にたどり着きバンバンと窓ガラスをたたくも、運転手は気を失ったまま。
ここでカメラは反対車線側に切り替わる。
必死にジェスチャーで状況を訴える同僚の女性。
すると、事態を理解した見知らぬ人々が路上に車を止め、危険を顧みず一人、二人と助けに駆けつける。さらには三人、四人、五人、最終的には全部で六人の力で車を止めた。
あとは車のドアをなんとかこじ開けなければならない。すると、もう一人の女性がどこかかからダンベルを持って現れる。
男性がそれを使って助手席側の窓を割る。一回、二回とガラス窓にダンベルをたたきつける。
今度は別の男性が割れた窓から腕を入れ、さらには上半身を滑り込ませドアのロックを解除した。
幸いにも運転手は息をしていたそうだ。
その後、彼らは近くのセブンイレブンの駐車場まで車を押し救急車を呼んだ。
幸いなことに、運転手は病院に運ばれたのち意識を取り戻し大事には至らなかった。
名もなき英雄たちの身元を知るために、地元警察が情報を募る
人種、年齢、性別を超えて人の命を救うために協力した、この名もなきヒーローたち。
彼らは運転手を無事助けると、誰一人として名乗らずに現場を去ったらしい。
後日、地元ボイントンビーチ警察署はFacebook上に下記のキャプションをつけ、この事件の映像を公開した。
私たちは、女性の命を救うために集まった見知らぬ人たちの身元が判明することを願い、このビデオを共有します。彼らはヒーローです。私たちは彼らを警察署に呼び、彼らが救助した女性に会わせたいと考えています。そのためには、あなたの協力が必要です。もしあなたやあなたの知り合いがこのビデオに映っていたり、何らかの形で助けてくれたりしていたら、こちらまで連絡してください。
情報はあっという間に集まったようだ。5月13日、同警察署のFacebookには下記のような投稿がUPされている。
5月5日にローリー・ラビオールの命を救ったヒーローたち、ジャネット・リベラ、フアン・チャベスJr.、マイケル・エデルスタイン、デヴィッド・フォルミカ、ダヴィダ・ピール、マルコ・バルトロネ、ミュリエル・ヴォーンズを紹介します。本日、私たちは彼らを表彰する栄誉を得ました。以下は、ローリーと皆が再会した時の写真です。