オーストラリア・ビクトリア州中央部のとある自宅敷地内で、怒ったカンガルーと壮年男性がガチファイトを繰り広げた動画が話題である。
動画は同国のテレビ”チャンネル9”で5月31日に取り上げられたもの。その臨場感あふれるファイトは驚きだ。早速ご覧頂きたい。
オーストラリア人男性が語る闘いの経緯
この男性はクリフ・デス氏。この強面に重厚感ある体格を持つ元ボクシングコーチだそうである。ケンカ強そう・・。
彼は先週ビクトリア州ベンディゴにある自宅でくつろいでいる時、裏庭で愛犬の必死の鳴き声を聞いた。
それを聞いて外に出たところ、巨大なカンガルーを目にした。
6フィート(約182cm)はある。大きな狂ったカンガルーが私の可愛い小犬を引き裂こうとしている!
と思った、とクリフ氏は語る
彼はカンガルーを愛犬から遠ざけようと、距離を置いて圧をかけた。
しかし、カンガルーが姿勢を大きく変えて自分の正面を向いてきた瞬間、
これは大変なことになった!
と思ったという。
愛犬を守るためカンガルーと対峙する!
このままではやられると瞬時に悟り、坂下にある前庭に走って逃げた
しかし、カンガルーが追いかけてきたため、クリフ氏は坂の途中で足を滑らせ、地面に倒れてしまった。(ここが映像の冒頭だ。)
彼は倒れながらも地面に落ちていた棒を手にし、これを武器に攻撃して身を守ろうとした。しかし、カンガルーを3回ほど叩いただけ棒は折れてしまった。
棒はニンジンみたいに折れた。こいつは本気だ、何かしないと血祭りにされる・・
と彼は思ったそうだ。ここからのクリフ氏の闘魂がすごい!
何とか立ち上がり、カンガルーに果敢にタックル!!全体重をかけ、カンガルーもろとも地面に倒れ込む。
重心が高いカンガルーに対して、タックルで倒してからグラウンドに持ち込むという、見事な判断力だ。
愛犬も脇でクリフ氏を懸命に応援している。
闘いは5分間にも及んだ
この闘いは約5分間にも及んだという。
クリフ氏は地面に倒れた後、カンガルーが自分の顔をえぐろうとしてきたので頭を下げて顔を守った。
しかし、カンガルーは攻撃はクリフ氏の頭皮を切り裂き、指を噛んで足の裏を引っ掻き、ズボンの袖口を千切り、ふくらはぎにも1インチ(約2.5cm)ほどの傷をつけた。
私はカンガルーの攻撃を受けながらも、冷静さを取り戻して、なんとかカンガルーから離れることが出来た。
離れた後も、カンガルーは車を回りこんで私を追いかけてきた。
とクリフ氏は闘いの後半戦を語っている。
闘いの原因については、”何が悪かったのかわからない。私が奴の奥さんにでもちょっかいを出したと思い込んでいたのかもしれない。それくらいの勢いだったよ”
と小粋なジョークを語るとともに、ある種の草が時期によっては地元のカンガルーを興奮させることがある、とも述べた。
クリフ氏は闘いを総括して、
いくつかの傷や噛み傷を負ったものの、それが母親や子供、地域のお年寄りでなく、自分でよかった
と感動的に語った後、
この出来事から私が得たものは、ただ彼らに近づかないということ以外にはない。
彼らがどう考えているのか、私たちがどう考えているのか、お互いには分からないのです。
と締めくくった。
カンガルーの恐ろしい身体能力
カンガルーは一般的に非常に従順とされているが、脅迫されていると感じると攻撃的になる場合がある。
そのキック力は約760ポンド(約345kg)、パンチ力が約275ポンド(約125kg)、恐ろしいのが咬合力でハイイログマ(グリズリー)とほぼ同じ、人間が発揮できる力の6倍の力を備えている。
2017年の当サイトの記事、いきがったカンガルーが一撃でシメられる動画でも語った通り、その身体能力は折り紙付きだ。
こんな脅威の身体能力を持つ野生動物が自分の庭にやってきたら、と思うと身もすくむ思いである。
この勇敢なクリフ氏、すでにお孫さんもいる年齢の方だという。
今後はこんな猛獣に遭遇することなく、愛犬やお孫さんと穏やかな生活を送られることを願ってやまない。