卒業シーズンに合わせた学生向けキャンペーンが物議
台北から車で1時間ほどの新竹にある有名なテーマパーク「六福村」は、卒業シーズンに合わせて制服を着用している学生の割引を開始した。
これだけだとよくある話だが、追加で設定した特典が物議を醸すことになった。
その特典をゲットするための条件は、“スカートが膝上10cm未満の場合”に限り無料の写真撮影を許可というもの。
台湾の中央通信社(CNA)によると、この特典の付与は「性的モノ化」や「性差別」にあたるのではないか、と同国の人々の間で議論を引き起こしている。
以下は同園のインスタグラムアカウントでこのキャンペーンを宣伝する写真である。
「性的モノ化」や「性差別」にあたると非難を受けるも・・・
「六福村」は遊園地、動物園、プールがある複合アミューズメント施設で、アラビア王宮、アメリカ西部の景色、南太平洋、野生動物の王国などのテーマに沿ったエリアがある。観光客向けというよりは、地元の学生達がデートに行ったり家族連れで楽しむ地域密着型のテーマパークだ。
この割引キャンペーンは、6月1日から8月31日までの期間限定で開催され、制服を着た人に対して入場券が割引されるという内容。通常999台湾ドル(約4500円)のところ、通常500台湾ドル(約2,200円)と言う破格の割引率だ。
さらに、制服の着用に加えて、膝上10cmのスカートを着ている人については、通常は有料の写真撮影が無料になる、という特典を付けた。
しかし、このキャンペーンの追加特典について、これは「性的モノ化」や「性差別」にあたるのではないか、と一部の人々の間で怒りと疑惑を拡げることとなってしまった。
”現代女性財団”の事務局長であるウー・ツイン氏は、「この公園のキャンペーンはプライバシーの懸念につながり、女性がスカートの写真を撮られるリスクを高める可能性がある」と述べた。
さらに、SNS上では、
「これは男性客を惹きつけるマーケティング手法だ!チケットはどこで買えるのか!」
「景色よりもスカートの下の写真を撮ろうと入園する人が増えるだろう。
「入場券を買ったスケベな大人達がたくさんいるに違いない」
などと多分に意図的なそのマーケティング手法に疑問を呈す声も多く挙がった。
この反応を受けて、「六福村」の代表は
”キャンペーンは学生達に「卒業記念の忘れられない思い出」を味わってもらいたくて設定した”
と語り、さらに
”割引には訪問者の性別や年齢に制限はない、つまり男性も短いスカートをはいていたら対象だ”
と述べた。
Twitterにはこんな反応も
「六福村」代表の発言を受けて、早速Twitter上では、
制服短裙
懶人包:六福村活動,只要穿上學校制服或系服入園就能享半價優惠,制服裙子短過膝上10公分還加碼送專屬攝影。#梗圖 #迷因 #搞笑 #有趣 #六福村 #制服 #短裙 pic.twitter.com/VFnNCkuFo3
— 獅子王辛巴 (@wangnew8) June 1, 2022
・・・六福村のイベントは、学校の制服で半額、さらに制服のスカートが膝上10cmの場合は限定撮影ができる!
といった投稿や、
有那個身材好的男生、三性、MTF要穿裙子跟我一起去六福村玩嗎🤩🤩#六福村 #穿裙子的男孩子 pic.twitter.com/jQx0kwfJjR
— 茜茜 (@red_heart_queen) June 5, 2022
・・・こんな男の子たちと一緒にスカートをはいて六福村に行きたい!
という投稿がなされている。
物議を醸したこの騒動。園側は知ってか知らずか、非常に微妙なところをついていて台湾国内では議論百出のようだ。
園側としては、話題になっている時点で”作戦成功”といえるかもしれない。
ただ今後、同園が短いスカート姿の男性が闊歩する特異なアミューズメント施設へと変貌を遂げないか心配である。