息子を守るためにトラに素手で立ち向かう
今月4日、インド中部マディヤプラデーシュ州で恐ろしい事件が起きた。その夜、母親のアルチャナさんは1歳3ヶ月になる息子をトイレに行かせるために自宅から外へ出たというが、なんとそこには近くのバンダウガルトラ保護区から迷い出たと思われるトラがいたのだ。
Mum fights tiger with bare hands to save baby https://t.co/QzR2aoKL3p
— BBC News (World) (@BBCWorld) September 6, 2022
トラは男児に襲いかかり、そして頭に噛みつこうとしたその時、アルチャナさんはただ息子を守ろうと目の前にいるトラに素手で立ち向かっていったのだ。
住処を失った動物らが都市部で人間を襲う
それでもなお、トラは男児を奪おうとしたというが、アルチャナさんの悲鳴を聞きつけて村人らが現場に集まったため、トラはそのまま森の中へ逃げ帰ったそうだ。
今回の事件で男児は頭に深い切り傷を負い、アルチャナさんにおいては肺に穴が開き、また腹部にも傷を負ったという。一歩間違えていれば命を落としていたのだろうが、入院しているアルチャナさんは順調に回復しているとのことでなによりだ。
地元メディア『The Times of India』紙によると、現在はトラを保護区に戻すために捜索活動が続けられているというが、村人には夜間の外出を控えるように注意喚起が促されているという。
近年、特に南アジアにおいては都市部の拡大によって森林が失われており、住む場所を奪われた動物らが都市部に出没し、人間を襲うという事件がたびたび報じられている。政府の統計によると、インドでは2014年から2019年の間にトラに襲われて死亡した人数は225人にものぼるといい、早急な解決策が求められることだろう。