先月下旬、トルコの公立病院に思いがけない訪問者があった。
それは足を骨折した野良猫。負傷した猫は自ら助けを求めて病院に駆け込んだという。
場所はトルコの東アナトリア地方ビトリス県タトヴァン市立病院。ここの非常口に設置してある監視カメラには、足をヒョコヒョコと引きずって病院内をさまよう猫が映し出されていた。この映像は後日、病院のFacebookページで公開されたものだ。
幸いなことに、同病院の看護師アブザー・オズデミールさんがこの猫が苦しみ痛がっているのに気が付いた。彼はこの野良猫を椅子に座らせて優しく手当をしたという。
仕事中に、病院内でよろよろと猫が歩いてるのが見えたんです。捕まえて調べると、足が折れていたのでスプリント(骨を固定するための医療器具)をしてあげました
治療後、しばらく猫の様子を見ていたがリラックスして落ち着いていました。その後、まるで道を知っているかのように来たところからまた出て行きました
とオズデミールさんはトルコのニュースメディア「Enson Haber」に経緯を語っている。
この野良猫は数日後にまた同病院へ戻ってきたそうだ。そして前足の再検査を受け再び去って行ったという。
この猫がどこから来たのか、何が原因で怪我をしたのかは正確には分かっていない。この猫はその後、同病院のスタッフによって「ダブソー」と命名された。この名は以前同病院のスタッフが今回同様に保護し、その後病院で自然死した猫の名前を受け継いだものだそうだ。
ちなみに、当サイトedamame.でも過去にいくつか類似の記事を掲載させて頂いている。肉屋に迷い込んだ腹ペコ猫ちゃんに店長が神対応、トルコの病院に体調の悪い子猫をくわえてやってきた母猫、手を怪我してしまい薬局に助けを求めるトルコの野良犬。
驚いた事に、これらはすべてトルコの事例。
トルコは動物保護に関する法律が整備されており人間と動物が共存する環境作りに世界一成功していると言われているそうだ。動物好きにとって素晴らしい社会である。文化や歴史に違いはあれど、見習いたいものですね。