中南米・エルサルバドルで2千人強のギャング達が「メガ刑務所」へ移送される様子が公開される

カルチャー

中南米・エルサルバドル。ここではギャングに起因する殺人の急増に対応すべく国を挙げての「ギャング撲滅戦争」が強力に推し進められている。

同国のナジブ・ブケレ大統領は2月24日、中部の都市テコルカに完成した巨大刑務所「テロリスト拘禁センター(CECOT)」へ受刑者約2000人を移送したと発表し、その映像を公開した。

2015年日本公開の映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を彷彿とさせるようなディストピアな風景、早速ご覧いただきたい。

動画では、頭を剃り上半身裸で白い半ズボンをはいた膨大な数の囚人がバスに乗り、新しい刑務所を駆け抜けて独房に入って行くのを見ることが出来る。
ほとんどがギャングであり、その肌には隙間なくタトゥーが施されている。

ブケレ大統領は昨年、ギャングに起因する殺人の劇的な急増の対策を議会提出。いくつかの憲法上の権利を一時的に停止する超法規的措置を求め可決された。それ以来、6万4千人以上の容疑者が反犯罪捜査網で逮捕されたという。超法規的措置により、政府はギャングの私的コミュニケーションに介入可能となり、逮捕には令状不要、逮捕されたギャング達は弁護士を依頼する権利さえ失っているという。

ギャング以外の罪のない人々もこの政策に巻き込まれてしまっている、と主張する人権団体の声もある。しかしこの「ギャング撲滅戦争」は、国民の間で広く支持されいる。同国治安担当大臣は「すべての犯罪者が逮捕されるまでこの状態を継続する」と語っている。

ブケレ大統領は国民からの人気の高さを背景として自身に権力を集中させてきた。仮想通貨ビットコイン(BTC)の支持者としても知られており、ビットコインを法定通貨とする「ビットコイン法」を推進したりもしている。

こちらは南米だが、数年前にはブラジルの刑務所を武装集団が襲撃し92人の囚人が脱獄するといった事件もあり、より厳密な刑務所内の風紀管理や確固たる治安維持がこの“メガ刑務所”には求められているという。この政策により、同国の未来が良い方向へ向かう事を祈りたいものだ。

参照元:TwitterCNN

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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