突然ワニたちが発情し交尾を始める
今月、オーストラリアにあるクロコダイル・ファームのオーナー、ジョン・レヴァー氏が、軍用ヘリコプターのおかげで飼育しているオスのワニたちが発情し、今年は交尾シーズンが早く始まったと語ったという。一体どういうことなのか。
Crocodile Sex Bonanza Triggered By Low-Flying Chinook In Australia
byu/SpankAPlankton inoffbeat
1981年に豪クイーンズランド州ロックハンプトンに『コオラナ・クロコダイル・ファーム』を設立したレヴァー氏によると、飼育している約3000頭のワニのうち、オスのワニは、軍用ヘリコプターがファーム上空を低空飛行したときに発情し交尾を開始したというのだ。
軍事訓練を行っているヘリコプターは、これまでにも頻繁にこの地域の上空を通過しており、また、パイロットたちはこのクロコファームを目印にもしている。しかし、この日はヘリコプターがワニに近づこうと低空飛行してきたという。すると、ヘリコプターが飛び去った後に、ワニたちは狂ったように交尾を始めたのである。
低空飛行のヘリコプターの音がトリガーか!?
今回の件で、チャールズ・ダーウィン大学でワニを専門に研究しているキャメロン・ベイカー氏は、ワニたちはヘリコプターの音をライバルとするオスの鳴き声と勘違いしたのかもしれないと語った。ヘリコプターが水面にぶつかると『ドーン、ドーン』という非常に低い周波数の音がするといい、それがオスのワニが『おい、ここは俺の縄張りだ』と言うために出す音に偶然似ているだけかもしれないという。
また、クイーンズランド大学で動物学を研究するクレッグ・フランクリン教授は、ヘリコプターの高度が低かったためにワニたちが雷雨のような気圧の変化を感知した可能性を示唆した。また、ヘリコプターが発生させた低周波ノイズについても可能性があると言及している。
真意のほどは不明だが、ヘリコプターの低空飛行が何らかのトリガーとなってワニたちの交尾がはじまったのは明らかなようで、研究者らにとっては興味深い事案となったことは間違いないだろう。