減圧症で体が風船のように膨れ上がる
ペルー出身の元潜水漁漁師アレハンドロ・ラモス・マルティネスさんは減圧症(別名「チャンバー病」)を患っている。過去にedamame.で記事にしているが、これは周囲の気圧が急激に低下した際に発生する疾患である。この種の病気は、深海潜水を行いながら適切な減圧手順を守らないダイバーに多く見られるというが、アレハンドロさんの場合は完全なるアクシデントだった。
2013年、ペルーのピスコ沖で30メートル以上の深海に潜り、魚介類を探していたアレハンドロさんは、通りかかった船に酸素ホースを切断され、急浮上を余儀なくされた。急激な浮上により胸と腕に窒素気泡が発生し、アレハンドロさんは体幹と腕に障害を残す医学的問題を引き起こしてしまったという。
治療から8年経った今も回復せず
この珍しい症例は2017年に話題となり、当時、医師らは高気圧酸素治療で体内から気泡を除去する治療方法を試みた。その時点で、体内にあった膨大な窒素の気泡の約30%の除去に成功しており、これを続けることでやがて回復する見込みだと思われていたが、実は、8年経った今でもアレハンドロさんは苦しんでおり治療法を探し続けているというのだ。
減圧症には痛み、骨や関節の損傷、神経への影響など様々な症状を伴うものの、アレハンドロさんのように変形に苦しむ症例は世界でも珍しいとされている。彼の上腕二頭筋はそれぞれ62センチと72センチにまで成長したという。
アレハンドロさんは風船のような体になってしまったことでかつてはうつ状態に陥り、人々からの視線に耐えられなかった時期もあったというが、現在はその苦境を乗り越え、生きていられることを神に感謝していると話す。その一方で「可能ならダイビングに戻りたい。ダイビングが恋しくてたまらないんだ。仕事とは別に、ダイビングは私の趣味だったからね。」と、以前のような生活に戻れていないことに苦しむ胸の内も話している。
窒素の気泡が筋肉や臓器に付着しているため手術は現実的ではないというが、より安全な治療法が開発されることを願わずにはいられない。








