日本は世界からみるとまだまだ禁煙の推進が遅れている国である。しかしながら、以前に比べると喫煙者は減少傾向にあり、煙草を吸える場所も限られてきた。
これから東京オリンピックに向け、さらにタバコの規制が世界基準になっていく日本だが、どれだけ規制されようが、タバコ税が上がろうが吸い続ける意志の固いスモーカーがいるのも事実。煙たがられようが、寿命を縮めようがタバコを吸うと誓ったスモーカーに一つ朗報がある。
喫煙する前に一杯のワインを飲むと健康被害を防げるかもしれない説。
ドイツのホンブルクにあるザールラント大学の教授ビクトリア・シュワルツは「喫煙の前に赤ワイン飲むことで喫煙による多くの血管損傷が防げることを実証した」と発表した。
研究では健康なノンスモーカーの20名に被験者になってもらい、3本のタバコを吸うことで身体や血管にどのような影響があるかを調査。10名は喫煙するだけ、残りの10名はタバコを吸う1時間前に赤ワインを飲んでから喫煙をした。
結果、赤ワインを飲むと血管壁や血小板、白血球から喫煙によるダメージを防ぐ微粒子が放出されるのが分かった。また、喫煙の影響による細胞の劣化のスピードをスローにし、かつ、喫煙による炎症を減少させられることも分かったのだ。
あと喫煙後には、がん細胞の成長を助長するテロメラーゼの活動が56％まで活動が下がり、さらにワインを飲んだ者は20％までテロメラーゼの活動が弱まったという。そうなってくるとガン患者がタバコを吸ってもいいの？という話になってくる。
ビクトリア教授は「今回は若くて健康なノンスモーカーを対象にした。だからこの結果が高齢者や持病を持っている人、常習的に喫煙している人に該当するかはまだ明らかになっていない」と付け加えた。また彼女はこの研究結果により飲酒者が喫煙したり、喫煙者が飲酒するように促したいわけではないことを念押ししている。
まだはっきりとはしていないこの研究だが結果が出るのが楽しみだ。現在喫煙しているなら気休めでもいいから晩酌をビールから赤ワインに代えてみてもいいかもしれない。
