水の都ベネチア。街の中をいくつもの水路が通っており、水上バスや渡し舟が運行している。街並みも非常に美しく、異国情緒のあふれる国である。そんなベネチアの一角に、目を疑うような光景があるという。
それがこちらだ。
なにこれ!?大きな「腕」が建物を支えている!?しかもその手は水から出ているではないか!…なんだかちょっと不気味に感じるのは筆者だけだろうか…
この2本の「腕」はイタリアの芸術家「ロレンツォ・クイン」氏によって作られたもの。「サポート」という題名の作品で、今年の「ベネチア・ビエンナーレ」という現代アートの国際展覧会に向けてこのアートを制作した。
こちらが夜の写真。ライトアップされるとより不気味さが際立つ…色が真っ白だからというのもあるのだろう。
どのようにして作られているのか
彼は彫刻をメインに芸術家活動を行っており、今回の制作したものも彫刻作品である。
写真のように完成した腕をクレーンを使って水の中に沈める。かなり大掛かりな作業のようだ。
なぜ「腕」を?
彼がなぜ「腕」をアートとしてベネチアの街に作ったのか?本人によると、
「サポート」という作品は、気候の変化に脅かされるベネチアを「支える(サポート)」ためのもの。私のアートが、我々が直面している世界的な気候の問題に、新しい視点をもたらすことを期待しています。
ということだそうだ。
水の都といわれるベネチアは地球温暖化によって海水面が上昇すると、かなり影響を受ける。そのことを知ってもらうためにこのアートを制作したということだ。
一見、少し気持ちが悪いこの作品もそのようなバックグラウンドを知れば、急にすばらしいアートに見えてきた。というのはあまり美的センスがない筆者だからだろうか。
この作品「サポート」はベネチアのカサグレドホテルに、ベネチア・ビエンナーレの期間中にだけ設置されている。一度目にしたいという方は足を運んでみて欲しい。
参照元:Wikipedelia1、2
許諾元:Lorenzo Quinn