彼女たちのダンスが意味するものとは?
オランダ・アムステルダムにある有名な売春地区、「レッドライト・ディストリクト」。
通称、「飾り窓」と呼ばれている地区だ。
「飾り窓」の由来は、店内のライトによって赤く照らされた大きな窓が立ち並び、それぞれの窓の奥に、下着姿の女性たちが通行人に向かって客引きしている姿が見えることからだ。
こう聞くと異様な光景であるが、ほとんどの通行人たちは、「飾り窓」の前を特に気にする様子もなく通り過ぎていく。
オランダでは、売春は合法である。
そう、下着姿の女性たちは、風俗嬢なのだ。
「飾り窓」は日本ではもちろん、世界でも大変めずらしい光景であるため、「観光」に訪れる人も多いのだという。
そんな彼女たちが、突然通行人たちに向かってダンスを踊り始めた。その理由が、今大きな話題となっている。
どうして話題になっているのか?なぜ彼女たちはダンスを踊っているのか?
早速、その動画をご覧頂こう。
いががだろうか。
セクシーな彼女たちのダンスに通行人もついつい立ち止まり、一緒に踊る者まで現れた。
しかし、動画の最後には誰もが驚きの表情を見せていた。彼らを驚かせたのが、こちらのメッセージである。
毎年何千人もの女性が、西ヨーロッパでのダンサーとしてのキャリアを約束される。
だが悲しいことに、彼女たちは今ここにいる。
止めよう、人身売買。
もうお分かりだろう。
実はこのダンス、人身売買禁止への啓発のために行われていたのだ。動画の中では、予想外の事態に、通行人たちも呆然と立ち尽くすばかり。
ダンサーになる夢を叶えようとした女性たちが、騙されて売られ、ここへ連れてこられている、という現実。
正直、動画が終わるまで私(吉川ばんび)もこれが啓発のためであることにまったく気が付かなかった。新しい勧誘、もしくはイベントなのだと思ってしまっていた。「実際にこういった人身売買が起こっているんだ」ということを、初めて深刻に意識したと言ってもいいかもしれない。
現在、この動画は世界中で話題となり、1300万回以上再生されている。
彼女たちのために何ができるか。人身売買を完全に無くすことは恐らく簡単なことではない。
しかし、人身売買に対しての人々の認識が少しずつ変化していけば、いつか彼女たちのように悲しむ人々はいなくなるかもしれない。
この記事によって、啓発動画が少しでも多くの人の目に触れることを願う。
参照元:YouTube