地球はもう捨てろ!平和を望む人類は宇宙国家「アスガルディア」へ!!
Coming soon: a nation in space for humans. Check out @AsgardiaSpace's site https://t.co/HMCYdhUtbQ pic.twitter.com/qMYmgjES0c
— everyone Project (@everyoneProj) 2017年8月31日
我々が住む地球は今、戦争、テロ、貧困、差別、失業・・・・あらゆる社会不安に見舞われている。
たくさんの生きづらさを抱えながら暮らすのは、もうやめにしよう。あらゆる枠組みを取り払った、新たな宇宙独立国家に移り住むことを考えてみるのはいかがだろうか。
今回は、地球の衛星軌道上に設立が予定されている宇宙国家「アスガルディア」についての記事を書こうと思う。
アスガルディア建国のコンセプト
「アスガルディア」の名前の由来は、ノルウェーの神話に登場する神々の住まう都市「アスガルド」からきている。マーベルシリーズの、マイティ・ソーを見たことがある人ならピンときただろう。
建国が宣言されたのは、2016年10月12日のパリである。提唱したのは、ロシアの科学者であり実業家のイゴール・アシュルベイリ博士である。
彼はアスガルディア設立に伴い、「人類の宇宙定住を共通の目的とする国家横断的・民族横断的なコミュニティ」の結成を約束している。
Dr Igor Ashurbeyli has formally closed voting on the Constitution and the national symbols of Asgardia. Stay tuned for the results! pic.twitter.com/mf0YZs7NhN
— Asgardia (@AsgardiaSpace) 2017年9月1日
大まかな概要は以下の通りだ。
・アスガルディアに移住する者は、国籍や信仰、人種といった枠組みが取り払われた「地球人」である、という哲学をもつ。
・人類の叡智をデジタル化し一か所に集め、進化を推し進める。
・アスガルディアの真髄は平和であり、宇宙に地球の紛争を持ち込むことを防ぐ。
・新たな宇宙憲章の作成により、争いを繰り返す歴史を作り直す。
・アスガルディア人は資源を平等に分けあい、正しい宇宙開発に貢献する人々となる。
・外的脅威から地球を守り、宇宙に進出して科学的叡智を収集する。
・・・なんだか難しく聞こえるが、すなわち地球の争いの歴史を止め、平等に分けあい、平和と知識を求める世界を目指しているようだ。
人種や国籍を取り払う考えは、差別に敏感な今の世界に合致しているようにも思える。
で、今どれくらいの参加者がいるの?
現状、アスガルディアに国民登録が済んでいるのは30万人余り。217か国から集まっており、男性が83%、女性が16%を占め、1%がその他を選択している。
国家として、心配になる男女比率である。筆者はまずこれが原因で争いが生まれそうな予感がしてならない・・・。
税金と言語についての問題が・・・・
問題はこれだけではない。先日・8月31日には、税金、政策、言語など、多数の議論が繰り広げられていることが報じられた。
既にアスガルディア憲法に関して、反体制派による批難が続出している。その結果、憲法に賛成した11万人にのみ正式な市民権が与えられたのだという。
そして何より、民族横断的な国家を作る時に問題になるのは「言語」だ。
現在、サイトは12か国語で読むことができるが、将来的に言語の統一を目指している。エスペラント語や、中国語と英語の混合言語など、多数の案が挙げられている。
・・・・・国家創設が本格化するごとに、ここまで問題が山積みになっていくと、参加には不安を感じている人も多い。
このプロジェクトの成長に対し、ネブラスカ大学のフランス・フォン・デアダンク教授は眉をひそめており、「法的な見地からすれば、創始者は何の考えもなしにことを進めようとしている。」と厳しい意見を述べている。
スパムか!ってくらい、夢のある話である
筆者としては、とても夢のあるプロジェクトだと思うし、世界人口の増加に伴い、こうした宇宙進出はあり得るものだと考えている。
しかし、法整備や言語問題など、国家のベースとなるものが成立していない段階で市民を募るのは時期尚早ではないだろうか。
あまりにも突拍子ないアイデア過ぎて、もしかしたらスパムや詐欺ではないか?と考えるのも無理はない・・・。
しかしこの現実的な問題を解決できたとしたら、世界中からたくさんの平和主義者たちが集まるだろう。争いや憎しみのない、魅力的な国家が出来上がるかもしれない。