パン屋さんで働くこの女性、一見普通の女の子のように思えるが、実はとんでもない特技を持っているのだ。
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実は彼女、なでしこJAPANにも抜擢された将来を期待されるサッカー選手なのだ!
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なでしこJAPAN!?
ファッ!?
みなさん、なでしこJAPANって知ってますよね?
そう、女子サッカーの日本代表チームである!
2011年にワールドカップで優勝したのは記憶に新しいと思うが、その日本代表に選ばれながら、なぜパン屋さんで働いているのか?
それは彼女が所属するサッカーチーム「バニーズ京都SC」、ひいては日本女子サッカーを取り巻く環境にあるのだ!
過酷な環境の中で戦う、未来のなでしこたち!
彼女の名前は石井咲希(いしい・さき)さん。
所属するバニーズ京都SCは、なでしこリーグの3部に相当するチャレンジリーグで昇格へ向け日々戦っている。
日本代表に選ばれるほどの実力の持ち主である彼女のサッカーをする環境は、我々の想像を越えて過酷だ。
平日は午前中にハードな練習をこなし、午後からは休む間もなくすぐにパン屋での仕事が待っている。石井選手の場合は、製造や店頭に立ち毎日働いている。そして週末にリーグ戦を戦っているのだ。
もちろんこのような状況は石井選手やバニーズに限った話ではなく、女子サッカーリーグ全体に言えること。
驚くかもしれないが、なでしこJAPAN、つまり日本代表に選ばれる選手でも、全員がプロ契約を交わしているわけではなく、バニーズの選手と同じような環境の中で世界と戦っているのだ。
ワールドカップ優勝から6年、いまだ国内で活躍する女子選手の待遇はJリーガー(男子選手)のそれに比べて明らかに低く、とても良い状況とは言えない。
しかし、ひとたびドイツなどの海外チームに移籍すると、大きく評価される。実際に何人もの日本人女子選手が海外で高い評価を得ている。
つまり国内のクラブチームで活動する選手は、十分な評価を受けていないと言ってもいいかもしれない。
とくに、チャレンジリーグでは試合の入場料は基本的に無料であり、収入のほとんどをスポンサー企業からのサポートに頼っている。例えばこれが男子の3部リーグにあたるJ3では500円~4000円程度の入場料を取っているところが多い。ここまで収益に差があると、待遇面での差を埋めるのも容易ではないだろう。
そこで、過酷な状況の中で戦う石井選手に、編集部おまつがインタビューをしてきたぞ!
かなりハードな生活だと思うんですが、、、
生活がハードだとか、そんな風には思いません。職場のみんなも応援してくれて、試合後に「おめでとう!」と優しく声をかけてくれます。店頭に立てばファンの方から「がんばってね!」と声をかけてもらえることもあるので、とても支えられていると感じるし、すごく自分のチカラになります!
だから、職場では100%で仕事をして、ピッチに立ったらサッカーに集中するようにしてます。
(めっちゃええ子やないかい・・・)
でも、これだけ練習とお仕事、そして試合をされていると、オフの日とかってあるんですか?
試合の次の日は、基本練習はお休みになります。ただ、平日はお昼から仕事があるので半日だけがオフということもありますね。
そういう時は、練習のない午前中や仕事終わりなどにリフレッシュする時間をつくっています。
ほんとに、サッカーとお仕事が生活のほとんどなんですね、、、
日々、サッカーだけに打ち込めるJリーガーとは違い、彼女たちはサッカーと仕事、二足のわらじを履きながら戦い続けているのである。
しかし、過酷な環境の中で、サッカーを続ける理由は一体なんなのだろうか。
サッカーが好きだから
「サッカーが好きだから」
そんな、あまりにもピュアな思いが彼女たちを突き動かしているのだ。
今回バニーズの練習を見させていただいたが、とても印象に残ったシーンがある。
練習は、地域のグラウンドを午前中のみ借りているだけなので、限られた時間の中でのトレーニングになる。
練習時間も終わり、帰ろうと私(おまつ)がグラウンドを出ようとしたところ、グラウンドの隅でまだ練習を続ける選手たちの姿があったのだ。
限られた時間、十分ではない環境の中でも、ひたむきにサッカーに向き合う彼女たちの姿を見て、心動かされるのは私(おまつ)だけではないだろう。
そんな状況のなかで、サッカーへのひたむきな姿勢とサポートへの謙虚な心をもったなでしこたち、ブームは過ぎ去ろうとも、戦い続ける選手たちがここにいる。そしてそこには見る者を熱くさせる戦いがある。
なでしこリーグ1部と2部はシーズンの終盤にさしかかり、ますます負けられない戦いが続いている。
そしてチャレンジリーグ、バニーズ京都SCの戦いも佳境へ。
悲願のなでしこリーグ2部への昇格をかけた戦い!
レギュラーシーズンを破竹の勢いで勝ち続け、優勝を決めたバニーズ。
決して楽とは言えない状況の中で勝ち取った優勝だけに勝利の余韻にひたりたいところだが、彼女たちの戦いはまだ終わったわけではない。
彼女たちが目指す、なでしこリーグ2部へ昇格するためには、プレーオフ順位決定戦で1位か2位にならなければならない。
簡単に言ってしまえば、ここで1位か2位にならなければ、これまでの努力が報われないのだ。仕事と練習に明け暮れ、ひたむきに、そしてがむしゃらに戦い続けたシーズン。そこで流した汗と涙が報われないのだ。
今年こそは、これまでの悔しさへのリベンジを果たし、悲願であるなでしこリーグ2部への昇格を決める!その強い意志を胸に、彼女たちは順位決定戦に臨むのである。
彼女たちの努力が花開くまで、あと少しのところまで来ている。
決戦は9月30日!
バニーズ京都SCのプレーオフ順位決定戦のスケジュールは以下の通りである。
第1戦:9月2日(日)大和シルフィード 2-3 バニーズ京都SCの勝利!
第2戦:9月10日(日)静岡産業大学磐田ボニータ
第3戦:9月30日(土)FC十文字ベントス
彼女たちの今シーズンの集大成、そして悲願のなでしこリーグ2部への昇格の瞬間をその目に焼き付けろ!
試合の詳細はこちら
取材協力:バニーズ京都SC HP、Facebook
参照元:日本女子サッカーリーグ