ペルー人男性の体が風船のようにブクブクに…
大きな肩に、パンパンになってしまったシャツ・・・非常に衝撃的なルックスをしているこの方をみて、なぜこうなったのか想像がつく人はどれ位いるだろうか。
ステロイド、整形のシリコン・・・・いろんなものが思いつくだろう。
彼は誰にでもなり得る、ある病気が深刻化してこのような見た目になってしまったのだ。
ダイバーを襲う「減圧症」の恐怖
彼はペルー人の潜水漁漁師、アレハンドロ・ラモス・マルティネスさん。4年前に仕事で大けがをしたことがきっかけで、「風船男」として名が知られるようになった。
アレハンドロさんはダイバーに多いという「減圧症」にかかり、体の筋肉に空気がたまってしまっているのだ。
記事の最後で紹介する動画の中で、触っているのをご覧いただけるが、スカスカで柔らかく、今にも割れそうな危うさを感じてしまう。
スキューバダイビングでは空気ボンベを使用しており、吸い込む空気のうち79%が窒素でできている。
窒素は深く潜るごとに血中に溶け込む性質があり、潜水時間が長いほど多く吸収される。ダイビングが終わり浮上すると、血中に溶けていた窒素は泡になるのだ。
そのため、体内の窒素の気泡化の速度にあわせて、浮上する速度を考えなくてはならない。レジャーで行う水深20メートル~30メートルのダイビングでも、窒素の気泡化は珍しくなく、プロのダイバーでも減圧症になる人が多い。
窒素の泡が少ない場合であれば、呼吸と共に排出されるが、重症の場合だと頭痛や言語障害などの障害が残る。
アレハンドロさんは4年前、30メートルの深度から急に浮上してしまったため、腕や背中、腹部に大量の泡が発生するという重い減圧症になってしまった。
長い月日がたった今でも彼の体は膨れ上がっているままで、日常的にめまいや吐き気、慢性的な疲労、関節症に悩まされている。
現在、彼は病院で「高気圧酸素治療」を受け、体から泡を除去しようとしている。大きなパイプのような機械の中にはいり、内部の気圧を上げて血中の窒素を再び溶かし、ゆっくりと減圧して窒素を排出するのだ。
画像の苦悶の表情からわかるように、この治療には強い痛みが伴う。彼は鎮痛剤を受けながら懸命に治療を続けているのだという。
しかし、完全に取り除くには100回以上の治療が必要であり、そのために約1千万円(10万米ドル)以上の治療費がかかると医師には言われている。
ダイビングをやめてしまった今、彼にはそんな大金を出す力はない。ダイバーとして復活するのは難しいだろう。なんとか健康を取り戻してほしいものだが・・・。
皆さんもダイビングをするときは、しっかりガイドの指示に従い気を付けて欲しい。
参照元:Oddity Central、ダイビング医学、高気圧酸素治療(wikipedia)