マイナス53度でも通学するシベリアの子どもに拍手
日本にも寒い季節がやってきた。しかしロシア連邦のサハ共和国に住む子供たちの話を聞けば、日本で寒くて布団から出られないなんて言ってられないと思い直すことだろう。
シベリアに住む子供たちは骨まで凍りつくような、気温マイナス53度でも学校に通う。サハ共和国はロシア連邦の中で一番大きく、インドくらいの規模。世界で最も寒い地域だと言われている。そんなサハ共和国に住む子どもたちは通学が世界で最もハードだと有名なのだ。
日本では大雨洪水警報や台風警報などで学校が休みになることがある。このサハ共和国にも気温が冷え込み過ぎると低学年は休みになるというルールがあるが、高学年は休ませてもらえない。
サハ共和国の中でも地域により休校になる基準の気温は違う。ヤクーチャ地方の12歳未満の子どもたちはマイナス45度より気温が低いと自宅待機だが、年齢がそれ以上の生徒は無断欠席を許されないのだ。
ベルホヤンクスという町はマイナス51度でやっと13歳以下の生徒が自宅待機となるが、14歳、15歳の生徒は登校しなければならない。あまりにも過酷過ぎる通学だ。世界で最も通学がハードな子どもたちと言われる理由がよく分かる。
サハ共和国ってどんなとこ?
「サハ共和国」をしらない人は多いと思うので簡単に紹介させてもらう。
この地図の赤で囲まれる部分がサハ共和国。
サハ共和国はダイヤモンドの採掘で有名。世界に出回っているダイヤモンドの4分の1がここサハ共和国で採掘されたものだといわれていて、ダイヤモンド産業は国営化されている。サハ共和国のことを知らなかった私だが、ダイヤモンドで有名と言われるともしかして持ってるアクセサリーのダイヤモンドはサハ共和国で見つかったもの?!と思うと、急に親近感が湧いてきた。
写真左上にある大きなくぼみがダイヤモンドの採掘現場だ。なんだか異空間に見える。
サハ共和国はマンモスなど古代の化石でも有名で、寒さの中にも天然資源がたくさん眠っている国として注目を浴びているのだという。しかも寒すぎるためウイルスや細菌が存在できないらしく、感染系の病気が存在しないらしい。マイナス53度なんてごめんだが、冬のこの季節にインフルエンザや風邪が流行らないのは羨ましい。
ところでマイナス53度なんて日本では考えもつかない極寒の地ではどうやって寒さをしのいでいるのだろうか。
ロシアやシベリアなどの極寒の地ではセントラルヒーティングが当たり前となっている。セントラルヒーティングとは一箇所で温水を沸かし、バルブを経由して各部屋に温水を循環させることにより空気を暖める暖房方法。どの部屋に行っても温度が一定なので家の中はどこでも快適に過ごせるようになっていて、トイレにまでヒーターがある。便器の中の水が凍ってしまうからだ。
セントラルヒーティングはヒーターのように空気が乾燥することもないし、ガスや石油ストーブみたいに空気の入れ替えもしなくていい。日本にも普及してくれたらもっと快適に冬を越えられそうだ。
ちなみに、ロシアやシベリアでは日本のように冷たく身を切るような強い風が吹くことが少ないようでロシア人は寒さに強い人種だと思いきや、日本に来ると寒さに凍えるらしい。
いやしかし、マイナス53度でも毎日通学をする子どもたちには頭が上がらないと思う、温室育ちの私なのであった。