黒人男性が白人至上主義者を抱きしめ「なんで僕のことが嫌なんだ?」と執拗に聞き続けた結果、、

事件

未だ絶えることのない人種差別

世の中には未だ人種差別なるものが存在する。

白人至上主義団体代表者のDNAに14%黒人の血が混ざっていたという記事でも話題になったように、「完全に白人の血しか持っていない」という人間はむしろマイノリティー。私達はさまざまな種類の血を、受け継いで生きているのである。

ある黒人男性は、「何もしていないのに、どうして嫌われなければならないのだろう?」という率直な気持ちを、直接、白人至上主義の男性にぶつける事にした。

それも、自分のことを嫌いだとわかっている相手に、何度も何度もハグをしながら

「何で僕のことが嫌いなんだ?」

アメリカのフロリダ大学で、ある白人至上主義者がスピーチを行った際、彼を支持する人や、彼の意見に反対するものなど、様々な人が押し寄せ、その場は大混乱に陥った。

そんな中でも、ある白人至上主義者の男性を中心に両者の言い争いが大きくなり、ちょっとした騒ぎが起こっていた。

そこに、たまたま黒人男性のアーロン・コートニーさんが、その場に通りかかったのである。

そして「自分のことを嫌う人と話す良い機会だ」と、思ったらしい。白人至上主義者である男性の目の前に立ってこう尋ねた。

「なんで僕のことが嫌いなんだ? 何がいけない? 肌の色? 歴史? それともこの髪型か?」

心の叫びともいえる真摯な問いかけ。しかし、相手の白人至上主義者の男性からは何の反応もなかった。

もちろん、自分が真剣に質問しているときに、何も応えてくれなければ、誰でも怒りを覚えるだろう。

コート二-さんも、自分のことを無視する彼の姿にだんだんと怒りを覚えていったようだ。

普通ならばここでまた、激しい一悶着が起こりそうな気がするが。

しかし、コートニーさんの場合は違った。

「話を聞け!」と相手に怒りをぶつける代わりに、「彼が必要なのは愛なのではないか。黒人とちゃんと接したことがないのでは?」と考えたのである。

そして彼は驚くべきことに、彼の体に腕を回し抱きしめるようにして思いを訴え始めたのだ

もちろん、白人至上主義者の男性は、初めは驚いてコートニーさんのハグを拒絶した。

だが、諦めずに抱きしめてくるコートニーさんにとうとう根負けし、なんと抱きしめ返したのだった。

そして、コートニーさんはもう一度、「なんで僕のことが嫌いなんだ?」と質問をした。

すると、ついに彼は口を開いて、こう言った。

「わからない」

「たった1回のハグで世界を変えることが出来る」

今回の件に対して、コートニーさんは、

「あれは彼の本心だと思います。彼自身、差別する理由を分かっていないんです。」

「たった1回のハグは、世界を変えることだってできます。シンプルなこと。」

と、話している。

実際、筆者も、この一件を通じて、世界がわずかだが着実に変わっていく瞬間を見た気がした。

差別なんかない世界に変わっていきますように。

参照元:New York Daily NewsTwitter

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村山ていな

小学校から大学まで家の近くに学校がない人生だったおかげで、特技は早起き。 「ゆでたまごの殻を剥く選手権」があったら、世界ランキング上位3%に入る自信あり。

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