オーロラと雪の大地を撮り続ける写真家の作品が壮大すぎる

自然

様々な表情をみせる、冬のフィンランドを撮り続ける写真家ティナ・トーマネン

フィンランドのラップランドに拠点を置く写真家ティナ・トーマネン。彼女が写す冬のフィンランドは、魔法がかかったかのように美しく、壮大な姿をしている。こんな美しい写真を撮れるなんてすごいのである。

しかし、彼女のこれまでの道のりは決して簡単なものではなかった。

ティナさん本人。

ラップランドに生まれ育ったティナさんは、17歳の時にヘルシンキへ移住する。まずは、職を得るために料理学校で資格を取得し、キッチンで働きはじめる。

彼女自身が言うように、料理に対して情熱があったわけではなく、あくまでも生活をしていくために選んだ仕事。彼女の情熱は、すでに写真へと注がれていたのである。

キッチンで働きながら、何度かアートスクールへの入学にも挑戦してみたが、彼女のもとに入学通知が来ることはなかった。

それでも、彼女の写真への情熱が消えることはなく、遂に商業スタジオでの仕事をつかむことになる。スタジオの仕事で撮影スキルを着実に習得していく彼女。しかし次第に、自分の中のある衝動を抑えきれなくなっていった。

それは、被写体のありのままの姿を撮影することと、故郷ラップランドへの帰郷である。どうしても、スタジオ撮影は作り込まれた世界観を表現するものが多く、ありのままの姿を撮る事が出来なかった。そんな時に頭をよぎるのが故郷ラップランドの自然だったのだ。

2010年、彼女は意を決して行動にでる。今まで少しづつ貯めておいた貯金を全て使って撮影機材を購入し、故郷ラップランドに帰ったのである。

もちろん生活のために働かなくてはいけなかったので、リゾート地のキッチンで働きながら、自然と風景の撮影をはじめた。

生まれ育った時には、あたりまえにあったその風景。あたりまえすぎてその美しさ、素晴らしさに気付かなかった彼女。しかし10年以上離れていた故郷にもどった彼女は圧倒された。そしてこれこそ自分が求めていたものだと確信したのだ。

満天の星。

降り注ぐかのようなオーロラ。

朝日を浴びてあかく色付く木々。

けっして簡単なものではなかった道のりを経て、彼女を美しい故郷へと導いたのは、彼女自身の写真への情熱だったのだ。これからも素晴らしいラップランドの壮大な風景を写真に収め続けてほしいものである。

参照元:tiinatormaneninstagram

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まつやま

おいしいごはんを食べているときが、いちばんしあわせです。すきな食べものは酢飯。屋根の下より空の下にいるほうが落ち着く人(髪の毛に難あり)fromサウス大阪。

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