みなさんは「過受胎」というものをご存知だろうか?
みなさんは1人目を妊娠中に2人目を妊娠してしまう「過受胎」と言うものをご存知だろうか?
今まで世界でも10件ほどの事例しかないらしく、かなり珍しいものといえる。
そして今回、なんと代理母として妊娠した女性が、自分の子どもも同時に妊娠していたとして世界中に衝撃を与えている。
双子だと思っていたら…
2人の実の子を持つ、カリフォルニア州ペリス在住のジェシカ・アレンさん(31歳)は、2015年秋に代理母になる事を決意した。
「代理母になったら3万ドル(340万円)がもらえる。そうすれば、専業主婦として子どものそばにいれるし、新しい家の購入資金にもなる。そして、子どもに恵まれない家族に、子どもがいる喜びを与えられるよ!」と、彼女の夫が話したのだと言う。
決意を固めたジェシカさんは、南カリフォルニアにある「オメガ・ファミリー・グローバル(以下OFG)」に出向き、代理母としての登録を済ませた。
そうして、数々の手続きを経て、まだ代理出産の合法化されていない中国の夫妻の受精卵がジェシカさんに移植された。
全てが順調に進んでいた。
そんな中迎えた6週間後の超音波検査で、驚くべきことが医師からジェシカさんに伝えられることとなる。
なんと、かなりのレアケースだが胚が分裂して、一卵性双生児、つまり双子を妊娠していると言うのである。
中国人の夫妻も双子の妊娠による5千ドルほどの上乗せに合意し、その後も2人は順調にジェシカさんのお腹の中で育っていった。
そうして28週後、無事に帝王切開で「マイク」と「マックス」と名づけられた2人の子どもが生まれてきた。
規定により、ジェシカさんと2人の面会時間は1時間。
幼い2人は、すぐに中国人夫妻の元へ引き渡された。
明らかに一人はアジア系じゃない!
ある日、実の親となった中国人の夫婦が、ジェシカさんにマイク君とマックス君の写真を送ってきた。
そしてジェシカさんは、大きな衝撃を受けたのである。
なぜなら、マイク君の肌の色は明らかにアジア人系、マックス君は混合系だったからだ。
「明らかに一卵性双生児ではないと思った」とジェシカさんはコメントしている。
外見が明らかに違う2人に違和感を感じたのは、実の親となった中国人の夫妻も同様だった。
そして夫妻はDNA鑑定を依頼した。その結果、なんとマックス君はジェシカさんとその夫ワーデルさんの子どもだという事が発覚したのである。
ジェシカさんはこのことに関して、「信じられず言葉が出ませんでした。コンドームを使用していたので、自分の子を妊娠していたなんて思いもしなかったわ」と語っている。
ジェシカさんに待ち受けていた悲劇
そして、驚くべきことが待ち受けていた。
なんと、親となった中国人夫妻が賠償金の要求とともに、マックス君の養育費を拒否してきたのである。
確かに、双子だと分かった瞬間に費用を上増しされたにも関わらず、自分たちの子ではないのだ。確かにそうなってしまうのも無理はないのかもしれない、、、
しかし、これだけではなかった。さらにマックス君を引き取りたいと申し出たジェシカさんに対し、夫妻とOFGはマックス君に他の親を探し始めたのだ!
「自分の息子が売買されるのでは・・・」と危機感を覚えたジェシカさん。
3千ドルで弁護士を雇ってOFGと話し合いを続け今年2月、ついに息子を養育する権利を獲得した!
マックス君は、その後、マラキ君と名付けられた3人目の息子になった。
ジェシカさんは「マラキがいてくれて幸せだし、代理母になったことは後悔していないわ。でも、これから代理母になりたいと考えている女性には、私のような事例があるということを知って欲しい」と話した。
そして、中国人の夫妻から求められていた賠償金に関しては、OFGが何らかの形で負担することになるという。
まだ代理出産の歴史は浅い。
もし今回、マラキ君が誰にも望まれない子だったら…などと考えただけで悲しすぎる。
頼む側も引き受ける側も、様々なリスクを考慮してから実行に移すべきだということだろう。