ミス・イスラエルとの写真が問題に!
美しい2人の女性が、笑顔でうつるこちらの写真。
ミス・イラクのサラ・イーダンさん(27歳)が、ミス・イスラエル(20歳)とのショットを、自身のインスタグラムに投稿したものだ。
▲(左)ミス・イスラエル(右)ミス・イラクのサラさん
ミス・イラクとミス・イスラエルより平和と愛を込めて♡
しかし、この1枚の投稿をきっかけに、今、サラさんに殺害予告が送られ、家族ごと国外逃亡をせざるをえないという危機に陥っているのである。
外交関係はなく、互いを敵とみなす両国
音楽の勉強のために、アメリカを拠点に活動しているサラさん。
今回、2017年ミスユニバースのイラク代表に選ばれ、世界大会に出場することになっていた。
ミス・イスラエルとの写真を投稿したのも、そんな大会開催中のことだ。
実は、イラクとイスラエルには外交関係はなく、両国はお互いを敵国とみなしている。
1948年、イスラエルが独立を宣言した際には、パレスチナ戦争や中東戦争など幾度となく内紛が勃発している。もちろん、イラクは、いまなおイスラエルという国の存在を認めておらず、そんな政治的背景があるなかでのサラさんの投稿は、国際問題に発展するとの見方がでてきたというのだ。
世界大会6日前、ミス・イラクの運営団体はサラさんに対し、こう警告した。
ミス・イスラエルとの写真を削除しないのならば、ミス・イラクの称号は剥奪する
しかし、サラさんは屈しなかった。
この写真を投稿した目的は、そんな歴史的背景があるからこそ、両国の希望や平和を表明したかったのだと話している。
殺害予告に警戒し、家族をアメリカへ!
結果、サラさんは世界大会へは出場しなかった。
▲中央がサラさん
当初、サラさんのインスタグラムには誹謗中傷コメントが多く寄せられていたが、今回の報道をきっかけに、多くは応援メッセージへと変わっている。
しかし、イラクに住む家族の安全を確保するために、今回の騒ぎが落ち着くまで、家族とともにアメリカで生活することにしたという。
サラさんは、今回の投稿を不快に思ったパレスチナ人に対して謝罪の意を表しているが、政治的意図はなかったとそこだけはゆずらない。
そして現在も、問題の写真はインスタグラムから削除されていないことから、両国の平和を望む、彼女の強い意思を感じることができるだろう。
母国に戻ることができるのが最善だが、今後、サラさんと家族が、安全を確保できる場所がみつかることを願っている。