「ブタがいた教室」という映画をご存知だろうか。
「豚のPちゃんと32人の小学生 命の授業900日」という書籍をもとに製作された作品。ブタを飼うことになった、とある学校のクラスを描いたものだ。最終的に、児童たちは自分達で育てたブタを食べるかどうかを議論する。
実際に児童たちは180日間、ブタとふれあった上で、議論を行った。台本のない状態で真剣に討論をさせ、各所で話題となった。
そして現在、これと似た状況が実際にイギリスで起きており、物議をかもしている。
ブタを食肉に
その学校はイギリスにあるプリーストランズ・スクールという学校の中等部だ。
この学校では、育てたブタを畜産業者に送り、食肉にしてもらうというプログラムが組まれている。生徒たちがブタと触れ合うことで”自然”と繋がり、そして食肉にしてもらうことで、自分たちの食べ物がどうやって届くのかを学ぶことができる、と学校側は主張する。
しかし…
本当に動物に対する思いやりが学べるのか?
この状況に疑問を呈したのは、この学校に通う子どもを持つ親である。ベジタリアンであるその親は、「私は、この学校のプログラムには動物に対する思いやりが欠けていると思います。他のベジタリアンたちも学校に抗議しましたが、聞き入れてもらえませんでした。」と話した。「食肉にするという過程がなくとも十分に食の大切さを教育することはできると思います。」
賛否両論
これに対して、「なんで生徒に、ブタを食肉にするかどうか聞かないんだろう」「理解できない」といったコメントから、「いい取り組みだ」「食べるということについてよく考えられるし、悪くないと思う」といったコメントまで。まさに賛否両論である。
現在、このプログラムの中止を求めて署名が集められており、3万人近くが既に署名しているが、学校側はプログラムを中止するといった旨の発表はしていない。
さて、読者の皆さんはこの問題についてどう思いますか?