治療のためのペット”ESA”
動物と触れ合うと心が休まるという人は少なくないはずだ。特に、ペットを飼っている人はそう感じる人は多いだろう。
最近では、治療の一環として、ペットを飼うことが推奨されることも増えきているようだ。そういったペットは、エモーショナルサポートアニマル(Emotional Support Animal)、略してESAと呼ばれる。
そんなESAとしてハムスターを飼っていた女性、ベレン・アルデコシーさんが、いま大きな話題になっている。
NEW: Spirit Airlines pushed me to flush my emotional-support hamster down an airport toilet, student says https://t.co/JErmxvTimY pic.twitter.com/cWvaJhy2tq
— David Ovalle (@DavidOvalle305) 2018年2月8日
一体なぜか?ことの顛末をお伝えしよう。
飛行機にESAと同乗しようとすると…
ベレンさんは、首にできた腫瘍を取り除くため、フロリダにある実家に飛行機で帰省するところだった。
そのときに利用したのは、スピリット航空。彼女は航空会社に事前に2度、電話でESAとの同乗は可能かということを尋ねたそうだ。そしてその答えは「問題ない」というものだった。
フライトの当日、実際に空港に行くと、チェックインの時点では問題なく、ESAを連れ込むことができた。しかしその後、セキュリティチェックの際に、職員にESAを機内に連れて行くことを禁止されたのだ。
彼女はレンタカー会社やバス会社に連絡したものの、飛行機以外に有効な手段はなかった。
そして彼女は、「職員はハムスターを逃がすか、トイレに流すかという提案をしてきました」と話す。
彼女は外に逃がしても凍え死んだり車にはねられてしまうだろうと考え、自らの手でハムスターをトイレに流すことを決意。
「本当に辛くて、恐ろしかった。しばらくその場を動くことができませんでした。」と彼女は語る。
これに対して、航空会社は「誤った情報をベレンさんに与えてしまったことは申し訳なく思います。でも、我々は彼女にハムスターをトイレに流すという方法を提案したことについては、きっぱりと否定します。」と答えている。
賛否両論
このニュースは海外で大きく報じられ、賛否両論の声が巻き起こっている。
ハムスターは小さく、考えられる被害が少ないことや、ESAの同乗を認めている大手航空会社があることから、スピリット航空の対応を非難する声がある一方で、「動物虐待だろ」「私だったらフライトをキャンセルするけどね」といった、ベレンさんを非難する声も多く、炎上状態となった。
もちろん、スピリット航空が事前にハムスターの同乗は不可能だと正しく伝えていれば、今回のような事態にはならなかった。とはいっても、同乗できないとわかったからといって、これまで育ててきたハムスターを手にかけることができるだろうか。
彼女は現在、スピリット航空を訴えることも視野に入れているそうだ。どちらに非があるのか、裁判所の公正な判断が待たれる。