みなさんは「フォレスト・ガンプ」という映画を知っているだろうか。有名な映画なので、見たことのある人も多いだろう。
知能指数が低い「うすのろフォレスト」の半生を描いたものである。
物語の中盤で、フォレストは過去に関係を持った女性から「あなたの子供がいるの」と告げられる。そのときフォレストが口にした言葉は、「その子の知能は大丈夫なのか」。
自分の障害が子供に遺伝していないかを真っ先に恐れたのである。
障害や病気すべてが遺伝するわけでは決してないのだが、もし「遺伝する」病気を持っていたら・・・。
一体、どのように生きていけばいいのだろうか。
逃れられない「遺伝子」の病気
アメリカ在住の退役軍人マット・オリバーさん、45歳。
オリバーさんは41歳のとき、医師から若年性アルツハイマー病であると診断された。若くして脳が萎縮していき、記憶や話す事もままならなくなってしまう病気である。
— Melissa Matthews (@M_Matthews) 2018年4月18日
実は、オリバーさんのかかっているアルツハイマー病は、きわめて特殊なものである。
オリバーさんの母親・祖母・曽祖父・いとこ・・・何人もの親族が同じように若年性アルツハイマー病を発症しているのだ。
「PSEN1」と呼ばれる遺伝子に異常がある場合に発症する、「遺伝性のアルツハイマー病」である。
この遺伝子異常が子供に遺伝する確率は50%。もし遺伝した場合、96%の確率で若年性アルツハイマー病を発症する。
オリバーさんにはドイツ在住の息子ロビーさんがいる。オリバーさんは、ロビーさんが病気を発症しないかどうかとにかく心配だという。
オリバーさんのパートナートレイシー・ワードさんは語る。
彼にはまだやり残したことがたくさんあるのに、今ではほとんどのことができなくなってしまっている。私は、胸が張り裂けるような思いでそれを見ている。
ネット上では様々な意見が
オリバーさんの病気について、ネット上では様々な意見が飛び交っている。
「もう、この家族は子供をつくるのをやめたほうがいい。将来どうなるかわかっているのに、子供をつくるのはむごすぎる。」
「遺伝子工学の技術で、病気の遺伝子をなんとかできないのだろうか。」
「このひどい病気について、もっと研究が必要だと思う。」
「美容外科などの技術開発にお金を使うくらいなら、脳科学のほうに費やしてほしい。」
厳しい意見もあるが、科学の力で解決していく事ができるのではないかという前向きな意見も多いようである。
確かに、医療技術の進歩は目覚しい。研究が進めば「遺伝子」の病気に打ち勝てる日が来るかもしれない。