バイオハザード撮影中、アリス役のスタントで左腕を失くした女性の現在。

事件

「バイオハザード・ザ・ファイナル」撮影中の事故

ローラがハリウッドデビューしたことでも話題を集めたバイオハザード・ザ・ファイナル。ゾンビフリークな私は公開日に観にいった。毎度のことながらミラ・ジョヴォヴィッチのアクションシーンはカッコよく仕上がっており、興奮した。

バイオハザードシリーズを今まで全作見てきて、いままであまり意識することはなかったが、あれだけの大作を完成させるにはスタントマンなしには成り立たないということが分かった事故がある。

バイオハザード・ザ・ファイナルでもたくさんのスタントマンが活躍した。そんな中起きてしまった事故。南アフリカでの撮影中、ミラ・ジョヴォヴィッチ役のスタントマンとして活躍していたオリビア・ジャクソンという女性が左腕をなくす大きな事故にあってしまったのだ。

南アフリカ・ヨハネスブルグでバイクシーンの撮影中に起きた事故だ。オリビアはモトクロス選手としても活躍している実績を活かし、猛スピードで走っていた。その時に不運なことにも金属製カメラアームと衝突してしまったのだ。

猛スピードで走っているところ、金属製ものにぶつかったのだから衝撃は計り知れない。実際彼女はその事故で17日間も昏睡状態。脳内出血、脳腫脹、首の大動脈切断、顔の骨折に損傷、腕のマヒ、左肩甲骨の粉砕骨折、鎖骨・上腕の骨折、親指の切断、脊髄から神経が5本も引きちぎられ、おまけに何本かの骨は行方不明という最悪の事故になってしまったのだ。

公開は2016年末だったが、事故が起きたのは2015年の6月。回復に向け、リハビリなども行ったが、結局彼女の左腕は切断することになり、上半身はひねられたように歪んだままとなってしまった。

3日前、彼女がインスタグラムにアップした画像がこちら。どれだけひどい事故だったかを物語っている。

腕を失ってもなお、アクティブに過ごすオリビア

左腕を失って、上半身の歪みも残ったままとなってしまったオリビア。それでも彼女は強かった。リハビリとトレーニングを積極的に続け、腕を失ったとは思えないほどの身体能力を見せている。

平泳ぎ、背泳ぎ、潜水、クロールを見せるオリビア。横隔膜がマヒしているため、呼吸が難しいようだがそれ以外は好調の様子。

片手での縄跳び、キック、パンチのトレーニング風景。大ケガを抱えている人とは思えない機敏な動きを見せている。

オリビアの回復を支援するための「United49(ユナイテッド・フォーティーナイン)」

彼女には同じスタントマンとして活躍する主人がいる。名前はデビッド・グラント。彼はオリビアが病院に運ばれ17日間昏睡状態に陥っていた時、毎日そばに寄り添い「絶対によくなるはずだ」と彼女にささやき続けた。

彼女には頼りになる主人だけでなく、ユナイテッド・フォーティーナインという支援団体にも支えられている。ユナイテッドフォーティーナインには、彼女といままで仕事してきたスタント仲間だけでなく、ハリウッドスターや俳優が参加し、オリビアが回復するための治療費を支援する募金を呼びかけている。

United49さん(@united49)が投稿した写真

スタントマンを使わずに大きなアクションシーンも自分でこなすことで有名なジャッキーチェン。彼もアクションシーンで何度も大きな事故にあっているが、幸運にもピンピンしている一人。

United49さん(@united49)が投稿した写真

ハリーポッター主役、ダニエル・ラドクリフ。このような大スターたちもオリビアの回復を支援している。オリビアはこのように支援してくれるチームがあることにとても力をもらっているという。

命を懸けて活躍するスタントマンあってこその作品

彼女はスタントマンである他にも、モトクロスバイクのレーサーとしても活躍していた。しかし、片腕を失ってしまった以上、もう自分でバイクを運転することは出来ない。彼女にとってスタントもモトクロスもとても大好きな生活の一部だっただけに、それを失ったことはやはりとても苦しかったようだ。

片腕を失ったことで、いままでのアクティブな人生を一新しなればならないが、彼女なら新しいステージでも活躍できることだろう。彼女の挑戦を見守り続けたいと思う。

スタントマンという危険な職業は誰にでもできるわけではない。生傷はつきものだし、オリビアのような大けがも、場合によっては命を落とすような激しいアクションシーンまである。スタントマンあってこそ、一つの作品が完成できるということを映画を見る者として覚えておこう、と思うのであった。

参照:instagram123

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難しいほうの峯

強烈なほどボディコンに憧れをもつ平成生まれ女。苗字をスムーズに読み書きしてもらえたことがないストレスフルな人生を楽しむほどのポジティヴさが売り。遠慮せず喜怒哀楽をありのままに表現しすぎるのが玉に瑕。

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