飛行機事故に遭う確率は非常に低いといわれる。ただし、あくまで「非常に低い」というレベル。絶対に遭わないわけではない。
先日、中国の四川航空のフライトで事故が発生した。しかもちょっとした事故ではなく、飛行機のフロントガラスが割れてしまうレベルであった。
すさまじい風の中で
事故が起きたのは、中国の重慶市からチベットのラサという都市に向かうフライト。上空9000mを越え、10000mに迫ろうかというときであった。突然、コックピットのフロントガラスが砕けた。
事故が起きた飛行機を操縦していたパイロット、リュウ・チュエンジエンさんは当時を振り返り、こう語る。「ガラスが割れ、轟音が響いていました。隣に目をやると、もう1人のパイロットの身体が半分ほど機体の外に出ていました。幸い、彼はシートベルトのおかげで外に飛んでいくことはありませんでした。」シートベルトすげえ…
もちろんそんな状態でフライトを続けることはできない。リュウさんは緊急着陸を決意した。
そして着陸は見事成功!!暴風と強烈な寒さの中での着陸であった。
乗客にケガはなし
事故に遭った機体の様子。客席には酸素マスクが降り、コックピットはかなり損壊していた。
こんな状態で着陸を成功させたのか…リュウさんは実は空軍の教官をしていたこともあり、その実力は確かなようだ。
パイロットを含む、乗務員数名がケガをしたものの、乗客にケガ人はいなかった。ネットでは、リュウさんは乗客を救ったヒーローとして話題になっている。
ただ、コックピットのフロントガラスが割れた原因はわかっていない。離陸前にも異常はなかったとされている。
運悪く事故が発生してしまったものの、リュウさんの確かな実力で大きな事故にはならなかった。不運を実力が越えた事例であった。