出産が禁じられた島に赤ちゃんが!
5月19日、ブラジルの離島で女の子の赤ちゃんが誕生した。
人口わずか3000人の小さな島での赤ちゃんの誕生に、島民たちはさぞかし喜んでいるだろうと思いきや、どうやら手放しには喜べないようだ。
なぜなら、そこは出産が禁じられた島だったから!
2004年、島の産科医院がすべて閉鎖
今回、出産が禁じられた楽園として話題にのぼっているのが、ブラジル本土から350km離れた離島、フェルナンド・デ・ノローニャ。
世界有数のビーチが点在し、「ロカス環礁海洋生物保護区」などは世界遺産リストにも登録されている。保護区には海ガメやイルカなど野生動物も多く生息しており、島の自然保護には特に力をいれているという。
この島には、2004年までは産科医院があったものの、年間40人の出生数に対し施設の運営費用が高額すぎたため、島の産科医院はすべて閉鎖されてしまったのである。
それ以来、産科医院がない島での出産が禁じられているというのだ。
とはいえ、妊娠することは何も問題ではない。
妊娠した女性は、妊娠7ヶ月ごろに島を離れ、近隣のブラジルの都市レシフェで出産をするのだ。
母親「妊娠に気付かなかった!」
そんな出産が禁じられた島で、赤ちゃんが誕生したのはこちらの自宅。
前日の18日夜、この家に住むジャミラさん(22歳)を猛烈な腹痛が襲った。そして、トイレに駆け込むと、両足の間から何かが出てくるのがみえたという。すぐさまパートナーの男性が両手でそれを拾い上げると、なんと赤ちゃんだったというのである。
この島で赤ちゃんが誕生するのは、実に12年ぶりのことだったという。
アナと名付けられた赤ちゃんとともに笑顔をみせるジャミラさん。第一子はブラジル本土で出産した経験があったものの、今回は自身が妊娠したことにさえ気付いていなかったという。
予期せぬハプニングだったにもかかわらず、島民たちからは多くの祝福の声が寄せられている。
ベビーグッズは衣服など、周囲の人から多くの寄付をしてもらったとうれしそうに話すジャミラさん。地域の人たちからサポートや愛情を受けて元気に育ってほしいものですね。