フェイスブックやツイッターなどのSNSでは、投稿に差別的な内容を含んでいると削除されることがある。
アメリカ・テネシー州で工具店を営むジェフ・エミックスさんの投稿も、フェイスブックに非公開にされたようだ。
一体どんな内容だったのだろうか?その投稿がこちらだ。
Facebook says this is hate speech. I don't get it where's the hate. pic.twitter.com/1zFyPm3i9i
— Amyx Hardware TN (@TnAmyx) 2018年6月10日
う~ん、一体何が問題なのだろうか…?後ろのドアに貼り付けられた紙をよく見て欲しい。
“NO GAYS ALLOWED”
つまり、「ゲイお断り」と書かれた紙を貼っていたのである!
ゲイお断り
ジェフさんはキリスト教の教えから、反同性愛主義を貫いている。彼が初めて「ゲイお断り」という貼り紙を掲載したのは2015年。そのときには、かなりバッシングを浴び、その紙を撤去した。しかし、すぐさま「私たちの表現の自由、そして信仰の自由を犯す人には、サービスを提供しない」という意見を表明した。
そして先日、彼はまた同じ貼り紙の掲載を始めた。その理由は、先日行われたある裁判の結果が関係している。
同性カップルへのケーキ製作を拒否
同性のカップルにウェディングケーキの製作を依頼されたケーキショップの店主が、自分の信仰を理由にして断った。その裁判では、この店主の行為が差別にあたるかということが争われた。結果、店側を擁護する判決が下された。
この判決を受けて、ジェフさんも先ほどの貼り紙の掲載を再開したのだ。
賛否両論
彼の対応には賛否両論。店に設置されたホワイトボードには、ジェフさんの行動を支持する人の署名が連ねられている。
一方、ジェフさんの貼り紙に強く反発する人も多数。彼の店の商品を買わないようにしようというボイコット運動も起きている。お店の評価サイトであるイェルプには、彼のお店を批判する大量の意見が寄せられた。中には、彼の店が隠れたゲイバーだというレビューを投稿する人も現れた。
ただし、ケーキショップの裁判の判決では「宗教を理由として差別を容認することが正当であるか」ということについての最終的な判断はされておらず、一般化できる判決ではないという。
宗教と同性愛…かなり難しい話である。特に近年では、同性愛者に対する理解が深まっているというが、自分が信仰している宗教の教えで同性愛が禁止されているなら、受け入れることができないということもあるだろう。
国によって宗教、性別の事情が異なるので、簡単には結論が出せない問題。これからも物議を呼びそうだ。