電車を停めた代償は…?
なんらかの理由で電車を停めると、鉄道会社から多額の賠償金を請求される…。そんな話をあなたは聞いたことがないだろうか?例えば人身事故であれば、賠償金は億単位にのぼるとも言われている。
一方フランスでは、電車を停めた乗客に対し、電車を乗り放題にしてあげていた!
それは6月18日のこと、パリの列車内で乗客の女性が赤ちゃんを出産した。
このおめでたい出来事に対し鉄道会社は、赤ちゃんに市内の電車を25歳まで無料で乗れる権利を与えたのだ。
鉄道会社の粋な計らいに、世界中から称賛の声があがっている。
電車のなかで産気づいちゃった!
通勤客でごった返す高速郊外鉄道RERに乗った妊婦の女性は、車内で突然、出産の兆候が出てしまった。
⚠️ TRAVAUX : pas de #RERA entre Maisons-Laffitte et Poissy, les weekends des 24-25/03 et des 31/03-01/04. Pour plus d'information, consultez le #BlogRERA: https://t.co/abnIE2STDO pic.twitter.com/BgZqYcpzB0
— RER A (@RER_A) 2018年3月23日
もしかしたら破水してしまったのかもしれないし、二人目の出産でお産が進みやすかったのかもしれない。いずれにせよ、女性は車内で生むことを余儀なくされたのだ。
車掌は電車を停め、乗客や鉄道会社の職員はお産を手伝った。そして午前12時前、ついに元気な男の子が誕生したのだ!
当然、電車は大幅にダイヤが乱れた。
それにもかかわらず、「オーベール駅で予想外の赤ちゃん誕生」と電光掲示板に表示されると、多くの乗客が歓声をあげたという。
La ligne A est heureuse de vous annoncer que le ? qui vient de naître bénéficiera de la gratuité des transports sur l'ensemble du réseau #RATP jusqu'à ses 25 ans. #RERA #Cestungarçon pic.twitter.com/aW6mSEO2Bi
— RER A (@RER_A) 2018年6月18日
「レールAは、生まれた赤ちゃんが25歳になるまでフリーパスを授与することを、喜んで発表します!」
鉄道会社の公式アカウントは、ハプニングの後このようにツイートした。
こうしておめでたいニュースは、SNSを通じて世界中に広まったのだった。
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フランスは先進国にも関わらず、わずか15年で出生率を1.66から2.00まで引き上げることに成功した国でもある。
これには様々な要因が絡んでいるが、個人的には、フランスの子育て世代に優しい風潮も影響しているのではないかと感じる。
万国いつの時代も変わらぬことわざ、それは「子に過ぎたる宝なし」。
少子化に悩む我が国日本も、まずは他者に対して寛容な心を持つことから始めてみてはどうだろうか。
参照元:ニューヨーク・タイムズ、Twitter