彩色復元師、荒木かおりの仕事ぶりが凄い!!神社、寺に建築当時の色を取り戻す!

アート

はるか昔の芸術の息吹を現代によみがえらせる!彩色復元師!

NHKの人気番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」でとても興味深い仕事が特集された!その仕事とは「彩色復元」。

「edamame」は、世界のニュースを紹介するサイトなんだが、「彩色復元」の仕事は、世界に向けて発信したい貴重な文化と技術だ!

今回テレビで紹介されていたのは、荒木かおりさん。京都で有限会社川面美術研究所の代表も務める、日本を代表する彩色復元師だ。

来週1月23日(月)
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」
本校22回生の荒木かおりさんが出演されます。
40日間の密着取材の様子が放送されます。
ぜひ、ご覧ください。

京都聖母学院中学校・高等学校さんの投稿 2017年1月19日

荒木さんの父である、川面(かわも)稜一氏も彩色復元師で、今の会社の設立者だ。父の川面さんは、1950年(昭和25年)に平等院鳳凰堂の扉絵の模写建築彩色復元をしている。

また、荒木さんも、2012年(平成24年)に平等院鳳凰堂の修復に彩色復元と言う形で携わった。2014年に修復は終わっている。

つまり、親子二代で、世界遺産の色を復元させたのだ。重要文化財の多い京都になくてはならない存在だ。

彩色とは

「さいしき」と読む。彩色とは、色をつけること。

この言葉の使い方は、「細かく彩色された壺」とか、「青を基調に彩色する」のように使われるようだ。美術関係の仕事や、学問に従事していないとあまり使わない言葉だ。

そして彩色復元(さいしきふくげん)とは、失われてしまった色彩を取り戻すこと。主に寺社仏閣などの彩色復元を行う。はるか昔に彩色されたものは、柄と色彩が失われ、当時の美しさは分からなくなってしまっている。その美しさを現代に蘇らす。歴史を繋ぐ大仕事。

しかし、筆者が思ったことは、寺や神社って、目立つ色と言えば鳥居や巫女さんの朱色くらいで、そんなに色彩豊かだったっけ?ってこと。2014年に復元された平等院鳳凰堂は行ったから、色鮮やかなことはわかるけど、、、と思い調べてみると、、、

すごいカラフルなのが、沢山あった!!

下の写真は、ほんの一例。

Nijojo-roka-tenjo2.jpg

これは二条城二の丸の天井画。復元前の状態。

 

Kiyomizu6113.jpg

清水寺の三重塔。朱色と緑が美しい。これも荒木さんが彩色復元を施した。

 

Gokogu-jinja10st3200.jpg

京都市伏見にある御香宮神社。拝殿の極彩色唐破風彫刻。色鮮やか且つ緻密!これも平成9年に復元完成。
 

Iwashimizu Hachimangu4.jpg

国宝石清水八幡宮の楼門。京都府八幡市にある日本三大八幡宮の一社。

いやはや、実にカラフル!他にも、日本各地に色彩豊かな重要文化財は残っている。

400年前の色を復元する方法とは?

しかし、今回TVでの放映は、400年前の清水寺に残る獅子の彫刻を復元するというもの。消えてしまった色や柄は、どうやってオリジナルを知るのだろうか?

予告編を見る限り、科学の力を使って、作者の癖や、使われた色を分析し、緻密に描いていくようだ。何とも根気のいりそうな仕事だ。

川面美術研究所の沿革を見ると、二条城の復元は、1970年代から始まり、まだ継続している。これが京都という世界でも有数の古都が背負うものなんだろうか?

とにかく彩色復元という特殊な仕事は、いったいどのような作業で、どんな気持ちで臨んでいるのか気になってしまう。

とにかく今は放送を待とう。

以下、放送後記述。

歴史的発見!!?

歴女だけでなく、歴史好きにはたまらない展開にびっくりした!

これは、見ないと分からないが、キーワードは、「二条城」、「清水寺」、「石清水八幡宮」、「高野山 金剛峯寺」、「狩野派」、といったところかな?

荒木さんの仕事への情熱が、美術界のみならず、歴史学、考古学界にとっても新たな発見になったようだ!
そんなドラマチックなことあるん!?と思わず声に出してしまった!

とくに「狩野派」は幕府専属の絵師集団として、紹介されていて、「絵師集団」という言葉の響きに興味深々。

調べてみると、幕府には「御用絵師」というお抱えの絵師がいて、その最高位を「奥絵師」と言い、狩野家が世襲で代々つとめた。

狩野派については、歴史がありすぎなんで、興味がある人は、一度調べてみて下さい。世界的に見ても類を見ない、血縁を軸に、400年も続いた絵師集団なもんで、筆者には手におえないっす!

Kano Eitoku 002.jpg

これは、荒木さんがヒントを得た唐獅子の絵。有名な狩野永徳の作品。

彩色復元師の流儀

荒木さんのプロとしての習慣に、「毎日植物のスケッチをする」というのが紹介されていた。これは、植物の構造を完璧に覚えるための習慣。

荒木さんは、「構造を染み込ませる。狩野派の人もやったはず。」と言っていた。
狩野派の絵師たちの感覚に迫るその姿に、しびれた視聴者も多いことだろう。

荒木さんは、おそらく今日も、歴史に残る絵師たちと対話を繰り返し、完璧な彩色復元を試みているに違いない。これからは、寺社仏閣に行ったら、今まで見ていなかったものに気づきそうだし、絵師たちや歴史の息吹を積極的に感じ取ろうと言う気になった!

参照元:facebook、Wikipedia12345NHK

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福井よしお

1977年生まれ。魚をキレイに食べます。趣味は育毛。ばかばかしいニュースから、為になるニュースまで、基本軽いタッチでお届け致します。

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