コロンビア出身なのにアラブ人のフリ
7月6日、アメリカ・フロリダ州マイアミにて南米コロンビア出身の男が詐欺の疑いで逮捕されたことを、地元メディア「マイアミヘラルド」が報じた。
逮捕されたのは、アンソニー・ジニャック容疑者(47)。彼は世界各地にいる26人の被害者から、2年間で合計約9億円(800万ドル)を詐取していた容疑がかけられている。
それも、超大金持ちのアラブの王子のフリをして・・・である。
コチラがジニャック容疑者の顔だ。
明らかにアラブ系の顔じゃない上に王子の風格を1ミリも感じさせないが・・・彼の口八丁で、マイアミに住むセレブ達が次々と騙されてしまったのだ。
ジニャック容疑者の正体はと言うと、実はコロンビア生まれの一般人。ミシガン州のアメリカ人一家に養子縁組したコロンビア系アメリカ人である。
彼の壮大な計画が始まったのは2015年のこと。
まず共謀していた人物と2人で「マルデン・ウィエリアムス・インターナショナル」という架空の会社を立ち上げ、世界中の資産家から運用資金を募っていた。
その際、身分を底上げすることを考えたのか、米ECサイト「ebay」にて偽物の外交ライセンスを購入。アラブの王子、カリド・ビン・アル・サウドという人物になりきろうとしていた。
▲偽物の写真で王子アピールをしている
所有しているペンションや邸宅には、「スルタン」(アラビア語で権力者の意)と書かれたネームプレートを堂々と掲げ、被害者らを迎えいれていたと見られている。
このように勘違いした資産家たちから金を巻き上げ、マイアミのビーチにある超高級ホテルに頻繁に宿泊したり、ロールスロイスやフェラーリなどを乗り回す優雅な日々を送っていたのである。
ジニャック容疑者のインスタグラムには、彼の夢の跡が今でも多く載せられている。
ペットのチワワと共に、まるでウソみたいな金持ちの暮らしを満喫していたようだ・・・・。
しかし、ジニャック容疑者はとんでもないミスをしでかしていたのである。上の画像を見た方の中には、もうお気づきの方もいらっしゃるだろう。
イスラム教徒なのにベーコンを食べる
ジニャック容疑者は、不動産開発業者の億万長者、ジェフリー・ソファー氏にも接触していたようだ。
高級ホテルでの会食に招待されたソファー氏は疑っており、様々な疑問を投げかけたようだが、500万円相当(5万ドル)のカルティエのブレスレットを差しだされたりと、口止めするような態度をとられたという。
更に彼と食事をとっていると、ベーコンや豚肉料理を躊躇なく口にしていることに気づいたのだ。
ムスリムでありながら、明らかにイスラム教の戒律を破っていることに疑いを持ったソファー氏は、ホテルのセキュリティチームに調査を依頼。
こうしてジニャック容疑者の化けの皮がはがれると、金品やクレジットカードなどひとつ残らず押収され、窃盗と詐欺容疑で逮捕された。
生い立ちから華々しい生活、そしてウソがバレるところまで、まるでフィクションのような事件であった。