魚の数を増やすために、その稚魚を一定の大きさに成長するまで人が育て、その後に放流するというのは珍しいことではない。栽培漁業などといわれることもある。
その放流の仕方といえば、船で海に出てそこから放流-というものを想像する。
でも、アメリカ・ユタ州の行う稚魚の放流はそんな生ぬるいものではなかった。なんと、飛行機を使って上空から放流するというだ!!
上空から放流
飛行機から放流…大丈夫なの?と思う人が多いだろう。しかし、安心していただきたい。放流した稚魚の内、実に95%以上が安全に着水することができるという。
実際の映像がこちら。
Fun fact: We stock many of Utah's high-mountain lakes from the air. The fish are tiny — anywhere from 1–3 inches long — which allows more than 95% of them to survive the fall. #Utah #TroutTuesday pic.twitter.com/kotDe91Zzw
— Utah DWR (@UtahDWR) 2018年8月21日
おおう…なかなかシュールな映像だ。
でも何で飛行機から放流しているのだろうか?
飛行機の方が安全
この放流を行っているのはユタ州自然資源局。飛行機による放流は1956年から行っているそうだ。
では、何故地上からではなく空中から放流を行うのかということだが、その理由は放流する湖の場所にあった。
放流先の湖はいくつかある。その湖は標高が高い場所に位置しており、人間の足で向かうのは可能だが、簡単なことではない。かつてはタンクに稚魚を入れて湖を訪れていたこともあるが、その道中で多くの稚魚が死んでしまったという。そこで取り入れられたのが飛行機だった。
低空を飛行するため、パイロットには高度な技術が必要とされるものの、安全かつ効率的ということで、現在もこの方法が採用されている。
なかなかワイルドな方法だが、そこには自然を大切にする思いやりの精神があった。
彼らの保護活動のおかげで今も自然が保護されている。しばらくは安心・安全なこの方法が使われることになりそうだ。